2012 Fiscal Year Annual Research Report
眼球情報を用いた提示内容の理解度評価手法の確立に関する研究
Project/Area Number |
23650528
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中山 実 東京工業大学, 社会理工学研究科, 教授 (40221460)
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Keywords | 眼球運動 / 瞳孔 / 内容理解 / 理解度 / 回答評価 / 高速逐次提示 |
Research Abstract |
本研究は、文章などの提示情報に対する眼球情報の特徴から、内容の理解度を推定評価する手法を開発することを目的としている。眼球情報とは、眼球運動、瞳孔などの生体情報である。本年度は記憶-再認課題の実験によって、再認回答過程での眼球情報から、回答正誤を予測する手法の改善評価と、読み過程の分析を行った。 (1)再認課題での文章の読み過程での眼球運動を計測し、眼球情報の時系列データとその回答正誤の関係性を用いて、隠れマルコフモデルで表現した。隠れ状態として、正答と誤答の状態を設定し、眼球情報から回答可能状態を推定するモデルを構築、改善した。実験で得た眼球運動の特徴情報をモデルに適用し、読み理解の過程とモデル動作の関係性について考察した。 (2)本実験で用いた文章が漢字仮名交じり文であることから、文字の複雑度など、文章の表示属性が読み過程に及ぼす影響を眼球運動と独立に評価するために高速逐次提示課題を用いて分析した。この結果、表示文字間の画像特性の違いや類似性が、見落としに影響していることを明らかにし、表示文章の画像としての属性も読みに影響を与えることを確認した。 (3)読み過程における注視状況を予測するために、同期測定した眼球運動、瞳孔径および視覚誘発電位から、注視している刺激サイズの推定を行い、観測される特徴情報の組み合わせによる推定性能の評価を行った。これによって、読み過程における、文章などの刺激情報の見やすさを評価できる可能性を示した。
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