2011 Fiscal Year Research-status Report
サーバ・クライアント型学習支援システムの全国展開による足場かけ学習の探求
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23650536
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三輪 和久 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (90219832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田山 和久 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (90217513)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 学習支援 / 自然演繹 / 足場かけ / サーバ・クライアントシステム / プロダクションシステム |
Research Abstract |
サーバ・クライアントのフレームワークで動作する学習支援システムの開発を行った。学習者は,それぞれの端末で,Webブラウザを立ち上げ,インターネットを介して名古屋大学のサーバにアクセスし,login操作を通してシステムを起動する。インタフェースの実装にはAjaxを用いることで,本システムはあたかもスタンドアロンで起動するシステムのように動作する。対応する教科書「論理学をつくる」に掲載された60余問の問題を用いて動作確認を行った。同時に,同教科書と本システムによる演習との連携を実現した。実験に関しては,Scaffolding(足場かけ)のレベルを要因とする1要因実験を行うと同時に,名古屋大学の認知科学,および一般教養の哲学の授業で開発システムを使った授業実践を行った。その結果,学習フェーズにおける問題解決パフォーマンスと学習効果との間にトレードオフの関係が確認され,それが支援のレベルによって制御可能である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の最大の到達目標であった学習支援システムの実装を達成し,動作確認を終えている。また,学習実験も,予定通り進行し,予測されていた結果を確認している。また,導入的実験として,独立変数としてScaffoldingのレベルを高低に操作した1要因2水準実験を行い,良好な結果を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) システムに,学習者の状況に合わせて,適応的にScaffoldingのレベルを調整する機能を実装する。(2) 導入的実験に続いて,本格的な実験に進行する。Scaffoldingのレベルを第1要因として,多様な第2要因を組み合わせた2要因実験を行う。第2要因の具体例としては,学習者の「推論能力」「学習の進度」「問題の難易度」などが考えられる。従属変数としては,初年度と同じく,システムを使用した学習フェーズでの問題解決パフォーマンスと,システムのサポートを外した状態で行われるポストテストにおける転移課題の成績である。(3) 本システムは,プロダクションシステムに実装された推論システムが自律的に問題を解決する。従って,システムに最初から用意された演習問題だけではなく,学習者自身が作成・追加した問題をも扱うことができる。以上の特性を生かし,与えられた問題を解く学習から,学習者自身が問題を作りながら学ぶ学習へと展開する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今期は,実験,実践が主体となる。そのための研究支援者への謝金,実験参加者謝金,成果報告のための旅費に充当する。
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