2011 Fiscal Year Research-status Report
シナリオ創発によるプロジェクトマネージャ向け論理的思考学習システム構築への挑戦
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23650537
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
秋吉 政徳 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (20403040)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | シナリオ創発 / シミュレータ / 論理的思考 / プロジェクトマネージャ育成 / プロフェッショナル人材教育 |
Research Abstract |
システム開発の大規模化と複雑化に伴い、開発プロジェクトの組織の階層化や開発分担をプロジェクト計画時に周到に準備していても、納期遅延や費用の増大が発生している。この背景のもとに、状況分析や保有知識による問題解決といったことを行うプロジェクトマネージャとしての論理的思考力を学習するためのプロジェクトマネージャスキルアップシミュレータを開発した。シミュレータについては、単にシステム開発プロジェクトの振る舞いを模擬するのではなく、指導者が設定した学習目標を反映した学習シナリオを「シナリオ創発」の考えのもとに生成するために、状態遷移をベースとしたプロジェクトモデルとそれに作用するエージェントモデルを設計した。この設計をもとにプロトタイプとして実装したシミュレータで、学習者がプロジェクト管理を比較的容易に行えるモデルや相当の分析と思考が必要となるモデルを用いて、指導者が設定した学習目標にそった学習シナリオが生成できることを確認した。また、PMBOKなどに示されるプロジェクト管理としての「規範」を調査し、その結果から「規範」を表現するための形式とそれらをシミュレータから導出する方法を機械学習を用いて実現した。この結果、「規範」から逸脱した学習者のオペレーションを同定することが可能となり、それらを「問題個所」として学習者に質問を行って、状況分析とその際の問題解決の点から「振り返り学習」が可能となった。さらに、「論理的思考法」を強化するには、学習者のオペレーションから導かれたプロジェクト結果を分析し、さまざまな要因を論理的に把握できる環境が必要と考え、オペレーションの特徴を要因ととらえて分類木の形式で整理する方式を検討し、計算機実験でそのような分類木の生成が可能であることを確認した。以上、「学習シナリオの生成」、「規範の表現と導出」、「学習者の論理的思考へのフィードバック」の方式を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究課題1として記載の「プロジェクトモデリングとそのモデルによるシミュレーション機能」と研究課題2として記載の「不足トラブル発生機能」を併せて、「シナリオ生成」の方式として、プロトタイプシステムを実装してその方式の有効性を確認できており、「当初の計画以上に進展している」と認識している。研究課題3として記載の「論理的思考支援Pad機能」については、そのもととなる「論理的思考」についての洞察をもとに、学習者のオペレーションから導かれたプロジェクト結果を分析し、さまざまな要因を論理的に把握できる環境をシミュレータ基盤の上に構築して、課題解決に向けての方向性を明らかにできており、「おおむね順調に進展している」と認識している。調査については、PMI(Project Management Institute)日本支部への直接調査は未実施ながら、関連書籍を通して幅広く行っており、おおむね順調に進展している」と認識している。以上、初年度の研究として、当初の計画以上に進展していると自己評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
交付申請時の「研究実施計画」に従い、実問題を対象とした数百人規模のシステム開発プロジェクトをシミュレーションするために、プロジェクトモデルデータベースを「組織構成」、「プロジェクトフロー」、「トラブル要因」といったことから柔軟に記述し、格納できるようにプロジェクト記述を再設計し、実装技術も踏まえて「プロジェクトマネージャスキルアップシミュレータ」を構築する。また、このシミュレータの機能として、平成23年度に明らかにした「規範」を表現する形式も含めて、プロジェクト指示記述言語を設計・整備し、指導者と学習者が統一の指示記述言語を通してシミュレータにアクセスできるようにすることで、指導者と学習者が同じ意識のもとに「指導」と「相談」ができることを目指す。加えて、「論理的思考支援Pad」の詳細設計を行い、学習者が本学習環境を利用する上での中心的なインタフェースを構築する。また、外部研究協力者による実用面からの評価を行い、本研究の成果をブラッシュアップする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額は異なったが、研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。
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Research Products
(3 results)