2012 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス・ストレングスモデルによる新能力評価法とそのe-ラーニング化
Project/Area Number |
23650543
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
廣瀬 英雄 九州工業大学, 情報工学研究院, 教授 (60275401)
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Keywords | 教育工学 / SSモデル / 学習支援システム |
Research Abstract |
学習支援システムは、教材の提供や課題提出にこれまで大いに利用されているが、能力評価法についてはいまだに古典的テスト理論に依っているのが現状である。学生の能力を適切に評価するには学生の能力に合わせたテストを行なうのが最適であるが、学生の能力に対応した問題を自動的に提供できるシステム(アダプティブシステム)はまだ確立されていない。新しいテスト理論である「項目反応理論」とアダプティブシステムの両方をテスト結果の評価に取り込むことができれば、大学・高校で利用できる学習支援システムの中に、公平で公正な能力評価法を確立させることができる。 本研究では、統計的信頼性解析の分野で用いられている「ストレス・ストレングスモデル」と心理学系で発展した「項目反応理論」を組み合わせ、学生の能力に自動的に適合するテストシステム(アダプティブシステム)構築の基礎を固めることを目標としている。 平成23年度は、テスト結果に「ストレス・ストレングスモデル」を用いた評価法の理論的側面を強化した。具体的には、周辺化法、ベイズ推定法の計算法を「項目反応理論」に取り込み、また「ストレス・ストレングスモデル」を組み込んだ場合の推定誤差の評価法を示した。また、数値実験(シミュレーション)も行なって理論的側面の妥当性を確認した。更に、実際に大学内で、高校の数学レベルの試験を課し、シミュレーションでは得られない問題点を洗い出し、その解決法について考察した。 平成24年度は、項目反応理論におけるアダプティブシステムを実現するために、欠測値のある反応パターン(マトリクス)でも項目反応理論が適用可能になるEMタイプの推定方法(LIRT)を開発しシステムの実装を行った。また、これを高校生の数学試験に試験的に適用した。
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Research Products
(23 results)