2012 Fiscal Year Annual Research Report
経験学習における学習者の迷いを最適化する“相互作用制御”教材設計法の開発
Project/Area Number |
23650547
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Research Institution | Advanced Institute of Industrial Technology |
Principal Investigator |
網代 剛 産業技術大学院大学, 産業技術研究科, 助教 (00513722)
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Keywords | 経験学習 / 見方・考え方 / 転移 / 教材 / eラーニング / 教材開発 / 専門職大学院 |
Research Abstract |
本研究の目的は、経験学習を成功させるための重要な要件である「学習者の迷い」を、適切に制御する技法を開発することで、これまで、実践した後でしか評価できなかった経験学習の成果を、教材等の設計段階で予測可能なものにすることである。目的を実現するため、経験学習的な手法が多く用いられる専門職大学院において、学習プログラムの試作と実験を繰り返し実施した。また、この時、獲得した能力の他の技術や学術の分野(以下、文脈)への転移を視野に入れ、数学・発想法・映像表現の異なる文脈について、並行して試作と実験を実施した。2011年度においては、学習者のふるまいのモデル化に取り組み、次のような知見を得た。(ア)学習者が十分に試行錯誤するには、当該分野における適切な基礎知識および技能が必要である。(イ)循環的学習の過程において、グループワークと個人ワークを適切に切り分けることが必要である。2012年度は、これらを実現するために、(A)基礎知識および技能を効率的に習得するための対話型かつシミュレーション型の独習教材の開発(B)集合教育において、できるだけ短時間で、誤解なく基礎知識および技能を伝達できる教示技法および資料作成技法の開発(C)教授者によるフィードバックのタイミング、および動機づけによる学習者のふるまいの違いの計測(D)に取り組んだ。今後は、これらの成果を取りまとめ公開するとともに、より詳細に条件を設定し、実験を重ねることで、技法を体系化してゆく計画である。
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