2011 Fiscal Year Research-status Report
電子化教室のための教室OSの構想とプロトタイプ製作
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23650552
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Research Institution | Toyo Eiwa University |
Principal Investigator |
柳沢 昌義 東洋英和女学院大学, 人間科学部, 教授 (30319008)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 電子黒板 / 教室OS / BMC / 巨大壁面大電子黒板 / 大人数授業 / 一斉授業支援 / 携帯端末 / モバイル |
Research Abstract |
本研究の目的は、教室全体の電子化を目標に、巨大電子黒板のハードウェア的な実装、および、その上で動作するソフトウェアを開発し、最終的に教室OSを設計することにある。 本研究の目標としては5つある。1)教室の黒板の役割を電子的に置き換えること 2)簡単なタッチ操作で情報を提示、コントロールできること 3)各種FDへの技法をサポートするツールへのアクセスとインタフェースの提供 4)学生の書き込み情報を投影できること 5)黒板への操作が学生卓に反映されること であった。 平成23年度において、そのうちの1-4の構築・実装に着手、そのプロトタイプを完成させ、学会等で発表するに至った。1)については、電子黒板装置を選定することから始め、既存の環境にはない、電子黒板企業も想定外の規模での壁一面電子黒板環境を構築することに成功。さらに、その大きさを生かしたいくつかの教育コンテンツを試作し、一部の授業で使用して高評価を得た。2)は1)の操作をよりわかりやすくするため、企業が開発して提供した電子黒板制御ソフトではなく、新たに、教室OSとしてのインタフェースを独自に作成、授業を止めることなく、様々なコンテンツを提示することに成功した。3)既存の各種FD手法、とくに学生からのフィードバックをリアルタイムに取得することに関して、複数の手法を本OSの機能として盛り込むことに成功し、2)の中にアイコンとして格納するにいたった。4)については、3)の機能としても実装されたが、学生のチャット、発言を電子黒板上にマンガを用いて可視化するための基礎研究を同時にすすめていたが、それを、本OSに統合することに成功した。 また、OSの基本設計として、1つ1つのツールを独立動作させることに成功し、サーバとの間の通信をセキュリティを高めつつ、インターネット越しでの通信だけにすることで汎用性を高めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の目的は上記に記載した5つであるが、OSの基本設計のみならず、平成23年度だけでそのうちの4つまでが実装を終えており、さらに、そこまでの実装で、模擬授業を数度行い、当初計画にはなかった評価実験にまで研究を進めることができたという点で、計画以上の進展があったといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
計画以上のスピードで研究は進んでいるため、未実装部分の5.黒板の操作が学生卓に反映されることへの取り組みを開始したい。いままでの実装は、学生から教室、あるいは学生から黒板への通信に限定されていた。研究計画段階ではこの5については具体的手法自体が研究なので、どのような方法が可能か、まずはそこから考えてみる必要がある。 また、本環境の設営には、時間を要するため、簡易的に設営できるように年度末からシステムハードウェアの設置に関する改良を始めている。 さらに、本来計画にはない、実証実験の段階にも進んでいきたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度は、既存の設備だけでプロトタイプ実装をして、ハードウェアの新規導入は後回しにして、ソフトウェア開発に力を注いだ。そのため、設営に時間のかかる既存の設備を使用した方法ではなく、新規にプロジェクター等を購入し、常設化し、実証実験ができるようにする。また、クライアントへデータを送信する必要があるため、スレート型タブレット端末を新規に購入する予定である。
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