2011 Fiscal Year Research-status Report
多人数の対話を有機的につなぐ学生スタッフ媒介システムを多角的に可視化する映像制作
Project/Area Number |
23650554
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
牧野 由香里 関西大学, 総合情報学部, 教授 (30331698)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 大学教育 / 知識構築 / 対話 / 十字モデル / 映像制作 / 学生スタッフ / 多人数授業 / 市民性教育 |
Research Abstract |
日本の大学教育に一般的な多人数の講義科目において、対話による協同的な知識構築の授業をデザインする方法として「多人数の対話を有機的につなぐ学生スタッフ媒介システム」を開発した。以下、この授業システムを「対話デザイン」と呼ぶ。対話デザインを実践する授業では、教師が一斉講義をするだけでなく、講義内容をふまえて受講生一人ひとりが意見という知識の部品をつくり、さらに学生スタッフがこれらの部品を編集する。編集においては知識構築モデルを設計図として用いる。この授業システムを導入することにより、すべての受講生に発言の機会が保障されるだけでなく、多人数の中から選ばれた意見を有機的につなぐ編集により、新しい知識体系が創造される。 ただし、学生スタッフによる編集の作業や事前トレーニングは授業時間外に展開されるため、対話デザインの全体像は見えにくく、汎用性の高い授業システムとは言えない。他の教員がこの授業システムを導入するためには、何をどうすればいいのかをわかりやすく示す必要がある。そこで本研究は、第三者の教員が自分の授業に対話デザインを導入するための具体的な手順を映像によって多角的に表現することをめざした。この授業システムを運用するうえで必要となるすべてのプロセスを可視化することができれば、他の教員が自身の授業で対話デザインを実践することができるようになる。 研究実施計画においては、平成23年度~平成24年度の2年間をかけて、(1)教員(俯瞰者)、(2)学生スタッフ(媒介者)、(3)受講生(参加者)の3つの視点から映像コンテンツを制作するという計画を立てた。平成23年度の成果として、(3)は企画・撮影・編集のすべてが完了した。また、(2)は企画・撮影を終え、編集を残すのみである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年間の研究期間のうち最初の2年間(平成23年度~平成24年度)は映像コンテンツ制作に取り組む計画である。最初の1年間の研究活動により、映像コンテンツの60%の制作が完了したことから、ほぼ計画通り順調に進捗していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は映像制作を継続し、すべてのコンテンツの完成をめざす。平成25年度は完成した映像コンテンツを国内外の学会等で発表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は引き続き映像コンテンツ制作を進める。平成23年度と同様、学生アルバイトを雇用し、専門的な知識や技術を要する作業については外部委託を利用する。 一方、すでに完成済みの映像コンテンツについては、平成25年度の公開に向けて英文の字幕を加える。このため、翻訳等に必要な校閲費用が見込まれる。
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