2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23650556
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Research Institution | Kinjo College |
Principal Investigator |
新井 浩 金城大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (30331557)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 教師教育 / 教授力 / 口話力 / FD |
Research Abstract |
我々の研究は、大学教員の教授力向上のために教員の話し方、特に言語的・非言語的コミュニケーション能力を成長させることを目標とした「音声認識技術を活用した自習可能な口話システム」を開発する事である。従来あるビデオ撮影による授業改善と違い、録音した自分の講義を全て視聴せずとも評価を受ける事ができる。また自習者自身による主観的評価でなく、口話の評価に用いる音声認識技術を使うため、ソフトウェアによる客観的評価を得られる。 またこれらを開発には、安価なノートPCとマイクの組み合わせを使用し、音声認識技術・波形解析・画像生成をシームレスに行う。この組み合わせであれば、研究室内でも利用可能であり自習システムとして適当である。また教室内へ持ち込み授業内で活用することも可能である。 開発にあたり我々はプロジェクトを(1)スピーチモノマネシステムの構築(2)音声データベースの構築(3)顔型ユーザーインターフェースの構築という3段階にわけて開発する事を計画をし、平成23年度は(1)に取り組んだ。このシステムは、手本となる音声(GE)と被験者の音声(UV)からそれぞれ音声波形データを抽出し、比較・評価するものである。 まずGEとなる教員の講義やアナウンサー音読から音声データを収集した。収集した音声データと実験者の音声データから、音声認識率と波形スペクトラムを音声認識ソフトを使用して比較し評価を行った。最終の評価結果をレーダーチャートで表示し、客観的な評価を発話練習に活用できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目の研究計画は「2つの音声データを比較しその差について評価する」というものであったが、データの採取やシステムの開発、結果報告の発表などにおいて、研究はおおむね順調に進展している。 アナウンサーや学生から採取した音声データから音声波形の解析を行い、音声認識を行う際の精度による「明瞭さ・滑舌」指標と音声スペクトラムの解析による「話すスピード」「声の大小」「声の高低」「間合い」指標をパラメータとして文字データと結びつけた。 さらに最終の結果をレーダーチャートで表示した。また、この結果を参照しながら練習の回数を重ねた。良い手本となる音声データ(GE)を聞きながら発話練習をすることで、話し方が改善される事が音声波形データの比較から解り、客観的な評価ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
音声特性分析システムを構築するために「話すスピード」「声の大小」「声の高低」「間合い」指標を音声パラメータとしてスコア化したものを頻出キーワードと相関付けし、最適値を設定する事で使用する。また評価に必要なスコア化手法を開発する為に、アナウンサーなど専門家からの知識提供を予定している。 それらの評価に用いる音声特性データベースの完成させる為、講義禄や音声データを収集・データ解析をする必要がある。 またレーダーチャートで表していた評価結果を直感的に理解させるインターフェースの工夫が必要である。チャーノフ(1973)により提案された顔型グラフを表示に導入し、判定結果の理解を支援する。プロトタイプとして、線画で描いた顔表示を行い、最終的には3次元モデリングの顔型グラフUIにより表現し、評価の臨場感を向上させる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度には、音声データを解析するためのワークステーションや解析用ソフト、実地テストに用いるノートパソコンを購入し、開発環境は1年目に概ね整える事ができた。 平成24年度は研究の中心となる研究成果発表と情報収集を兼ねた、国内・国外学会参加の為の旅費を計上した。今年度は国内発表を2回、海外発表を1回予定している。 また話し方に関する専門知識の提供や、データ処理などにかかる人件費、音声特性データベースを構築するために使用する音声録音機や、マルチチャンネルレコーダーといった録音機器購入を物品費に計上した。その他、学会参加登録費や会議費、選考研究調査費用としての文献複写・貸借費、書籍購入費などを予定している。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] Self-training System of Speech for Hearing Impaired2011
Author(s)
Hiroshi Arai, Kimikazu Sugimori, Shuichi Seto, Yuko Shimomura, and Hiroyuki Kawabe
Organizer
Twelfth Asia Pacific Industrial Engineering and Management Systems Conference and the Twelfth Asia Pacific Industrial Engineering and Management Systems Conference
Place of Presentation
China
Year and Date
October 14-17, 2011
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