2012 Fiscal Year Annual Research Report
社会構造創成型社会技術の可能性の検討──オンデマンド交通技術の社会技術的展開
Project/Area Number |
23650559
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鬼頭 秀一 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (40169892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和 裕幸 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (50220421)
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Keywords | 社会技術 / コミュニティ創造 / 高齢社会 / オンデマンド交通 / ソーシャルネットワーク分析 / 技術の多義的枠組み / ICT技術 / 新しい社会的原理 |
Research Abstract |
研究分担者の大和が開発した要素技術である「オンデマンド交通」を、新たなコミュニティを生成するなど、高齢社会の問題解決に資するような形に社会の構造を創造的に改変していくような社会技術として検証し、実際の社会実装の現場で実践的、理論的により創造的な形で展開していく目的で研究を行った。買い物弱者の救済など、広域に利用者が分散化した社会で公共的なモビリティの確保のために開発されたこの技術は、蓄積した個人の移動情報を個人情報に直接アクセスすることなく、システム的に利用することで、新たな形のコミュニケーションやコミュニティを生成する可能性を持っていることが期待され、そのことにより、モビリティという単機能ではなく、医療、社交、購買、など、多機能に展開する「社会技術」として展開する潜在的な能力を持っていることが予想された。本研究では、工学的手法と人文社会科学的な手法を融合した手法を用いることにより、より計量的に、また、質的に深い意味のある分析を可能にした。鬼頭は、人文社会科学的な手法で、インタビュー調査やアンケート調査などを用いて質的に意味のあるデータを収集してそれを解析し、大和は工学的な手法でオンデマンド交通ログデータのソーシャルネットワーク分析を行い、それを併せて全体の解析を行った。そのことにより、オンデマンド交通が新たな交友関係を創出しまた,従来の交友関係の深化に寄与し、また遠隔地の人たちの交友関係を生み出していることを、工学的にビジュアルに示すことができた。そして、そこで得られた結果を、環境倫理学の手法で技術の多義的枠組みという新たな理念的な枠組みを用いることにより、オンデマンド交通がICT技術の特質をうまく適合して社会創造型の新しい社会技術として展開できることを示すことが出来た。これは、人文社会科学的な研究を工学的手法と融合する新たな方法論を開発したことにもなった。
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Research Products
(9 results)