2011 Fiscal Year Research-status Report
地下水を用いた除雪作業の軽減と地下水循環の人的強化:同時実現モデルの創出
Project/Area Number |
23650578
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
肥田 登 秋田大学, その他部局等, 名誉教授 (70015832)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 地下水人工涵養 / 地下水循環 / 地下水位 / 地下水温 / 積雪高齢化社会 / 除雪 / 六郷扇状地 / モンスーンアジア |
Research Abstract |
積雪高齢化社会において高齢者が行う除雪は命がけの作業である。加えて,地下水を生活用水源に充てている降積雪地帯では,積雪期間中に涵養減と揚水増により地下水位は低下する。この命がけの作業を地下水の活用により軽減させ,併せて揚水した地下水と融雪水を地下へ再還元して地下水循環を人的に強化する,この両者を同時に実現させるモデルの創出が本研究のねらいである。1、研究対象域を降積雪地である,秋田県六郷扇状地(扇央:39°25′N, 140°34′E)に置き,年間を通じて地下水の基礎調査・観測を繰り返した。観測には既存の観測井とピエゾメータ群を用い,地下水と地下水温の連続観測を実施した。その結果,降積雪の期間において,融雪に活用する地下水温は十分に維持できることを把握した。2、家屋周辺の生活道路の雪を地下水を用いて融雪する小実験(散水方式を採用)を行った。散水量と融雪量の関係が見出される見込みである。3、散水と融雪によって生じた積雪水量を地下水人工涵養の池に戻す経路を試みた。池からの浸透。涵養量及び地下水温への影響に関する観測を着手した。4、モンスーンアジアの諸特性を背景におき,民家の屋根に降った雨水を地下浸透させるタイ国の人工涵養についての研究成果を日本水文科学会において発表した(タイ国研究者と共同)。地下水温の高いタイ国と地下水温の低い六郷扇状地との比較検討により本研究の完成度を高めることがねらいである。5、平成24年度は,当該年度の成果に基づき,地下水を用いた居住空間の除雪と地下水人的強化の小実験を繰り返して,両者を同時に実現させるモデル創出の基礎資料を充実させる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)交付申請書の研究実施計画(平成23年度)に記載した5項目の内容に従って行動し,上の「研究実績の概要」欄に記した成果を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
1、秋田県六郷扇状地において,現地調査のほか,観測井及びピエゾメータなど既存の研究諸設備を活用して,本研究課題に要する地下水位,地下水温などの観測を継続する。2、居住空間において地下水熱(約13℃)を利用して自家用の駐車場,生活道路の除雪等を行う装置を置き,熱利用を終えた地下水を人工涵養の水源として再び地下へ還元,この基礎実験を行う。3、本研究課題に関連する調査・資料収集等を必要に応じて六郷扇状地以外の地域・場所において行う。4、研究成果の一部を国の内外の関連学会で公表していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当はない。
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Research Products
(2 results)