2013 Fiscal Year Annual Research Report
空間的意思決定指向型GISの開発-コミュニティ中心社会を見据えて-
Project/Area Number |
23650579
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
村山 祐司 筑波大学, 生命環境系, 教授 (30182140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
碓井 照子 奈良大学, 名誉教授 (30068829)
王尾 和寿 筑波大学, 生命環境系, 研究員 (10447237)
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Keywords | 参加型 / GIS / 地理学 / ウェブGIS / 空間分析 / コミュニティ / 地理情報 / つくば |
Research Abstract |
本年度は,過去2年間の成果を踏まえて,意思決定支援システムの概念を確立し,システムの実装を行った. 碓井班では,奈良県吉野郡東吉野村の地域おこしにPP-GIS(市民参加型GIS)の手法を適用した.東吉野村小水力利用推進協議会メンバーの意思決定を支援するため,産業遺跡を実際に踏査し,ゼンリンの電子住宅地図(2500レベル)の上に入力し,任意の場所の横断図や標高,取水口からの距離,景観写真などを簡単に視覚化できるGISをARCGISをカスタマイズして作成した.課題は,スマートフォンでの実装である. 村山・王尾班では,茨城県つくば市内の小学校区における不安箇所データの取得と地域安全マップの作成を事例に,地理空間情報の取得・整理,可視化,空間分析,情報発信と共有化,蓄積,合意形成,などの一連のプロセスの検証を行った.空間分析に関しては,交通,犯罪,災害の各不安箇所の点分布に対しカーネル密度推定を適用し,密度を変数とした不安箇所の類型化を行った.次に,土地利用や家屋密度等の周辺環境との関連性を把握すると共に,不安箇所の選択理由を形態素に分解し,類型タイプと対応分析を行うことにより,類型タイプの空間特性を明らかにした.また,個々の不安箇所データの参照や,複数年にわたるデータの蓄積,情報共有や発信を推進するためのWebGISの開発を行った.さらに,参加型で地理情報を収集し可視化するシステムを構築し,その有用性を確かめた.このシステムはデータ収集の効率化に寄与することが実証的に裏付けられた. 情報技術を活用した市民参加プロセス確立のための実証実験の結果,WebGISはコミュニティ中心社会において,地域情報の共有と迅速な意思決定にきわめて有効なツールであることが明らかになった.
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