2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23650586
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
早川 清雄 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教 (00368292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 義博クリストファー 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 研究員 (10616204)
亀山 武志 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 研究員 (40569505)
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Keywords | 自然免疫 / 腫瘍 |
Research Abstract |
腫瘍発生や形成の過程において、あるいは抗癌治療によって誘導される「核酸」に着目し、核酸が及ほす自然免疫応答への影響について研究をすることで、自然免疫応答と腫瘍の関わりを明らかにすることを目的としている。 核酸による自然免疫応答の活性化と腫瘍細胞の縮小効果について検討を行うため、様々なヒト由来の細胞株を用いて、組織の細胞株に対して核酸を細胞質内へ導入し、細胞からRNAを調整した後、定量RT-PCRとELISA法を用いてインターフェロン等の発現量解析を行った。その結果、あるがん種の細胞において核酸によりインターフェロンのみならす炎症性サイトカインの発現が強く誘導されることを見出した。しかしながら、自然免疫応答の活性化に関与するシグナル伝達分子の発現を解析したところ、シグナル伝達分子の発現量とインターフェロン等の誘導性に、関連性が認められなかった。また、インターフェロンの発現誘導と細胞死について検討を行ったところ、インターフェロンの産生が高い細胞において強く細胞死が見られ、その細胞死がアポトーシスによるものであることが確認された。また、マウスを用いた実験において、核酸による腫瘍抑制効果について検討を行った。解析数は少ないが、ある種のがん細胞においては、マウスにがん細胞を移植し核酸投与を行うと腫瘍が縮小したが、インターフェロンの単独投与では、強い腫瘍の縮小効果が認められなかった。 最近、組織における腫瘍形成にマクロファージの活性化の違い(M1またはM2)が関与していることが報告されている。がんの微小環境において内因性・外因性の核酸が及ぼす影響を調べることを通して、抗腫瘍につながる基盤的研究につなげたい。
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