2013 Fiscal Year Annual Research Report
人工多能性幹細胞から作成するがん幹細胞モデルとその応用
Project/Area Number |
23650598
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
妹尾 昌治 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (90243493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 昭文 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (50598331)
工藤 孝幸 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (00346412)
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Keywords | がん幹細胞 / iPS細胞 / がん細胞培養上清 / 血管内皮細胞 / がん幹細胞ニッチ / 分化 / 自己複製 / エクソソーム |
Research Abstract |
がん研究、がん治療法開発においては、「がん幹細胞」を焦点にした解析が必要となっており、「株化がん幹細胞」が待ち望まれている。本研究では、がん細胞株由来の培養上清をiPS細胞の分化を制御する微小環境因子として添加することにより、試験管内でがん幹細胞様細胞(iPS-CSCs)へと変化させ、数種類の「株化がん幹細胞」の作成に成功した。 マウス、及びヒトがん由来の細胞株の培養上清を含む条件でマウスiPS細胞を4週間培養し、生存していた細胞をヌードマウス皮下に移植すると悪性腫瘍(癌腫様)を形成した。この細胞は自己復性能、多分化能を有しており、がん幹細胞としての性質を獲得した細胞であることを示した。使用したがん細胞の培養上清の由来により、分化能などが異なる細胞が得られている。さらに、ルイス肺がん細胞由来のエクソソーム画分を生成し、分化途上にあるiPS細胞に供し4週間培養して得た細胞は、ヌードマウス皮下で脂肪肉腫様の腫瘍を形成し、さらには腹腔内へ浸潤し腫瘍を形成するケースも観察された。 本研究で作製したがん幹細胞の一つであるmiPS-LLCcm細胞(ルイス肺がん細胞の培養上清によりがん幹細胞化)の自己複製、分化能(特に血管内皮細胞)を評価したところ、がん幹細胞の自己複製は、がん幹細胞より分化したがん細胞、血管内皮細胞により増進されることを見いだし、この効果は、部分的にNotch経路に依存していることを明らかにした。さらに、がん幹細胞の分化系統も分化がん細胞からのフィードバックにより制御されており、がん幹細胞の運命を制御する「がん幹細胞ニッチ」は、がん幹細胞自らが、分化がん細胞を生み出し形成していることを示した。
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[Journal Article] Cancer stem cells maintain a hierarchy of differentiation by creating their niche.2013
Author(s)
Matsuda S, Yan T, Mizutani A, Sota T, Hiramoto Y, Prieto-Vila M, Chen L, Satoh A, Kudoh T, Kasai T, Murakami H, Fu L, Salomon DS, Seno M.
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Journal Title
Internatinal Journal of cancer
Volume: 135
Pages: 27-36
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Mouse induced pluripotent stem cell microenvironment generates epithelial-mesenchymal transition in mouse Lewis lung cancer cells.2013
Author(s)
Chen L, Mizutani A, Kasai T, Yan T, Jin G, Vaidyanath A, El-Aarag BY, Liu Y, Kudoh T, Salomon DS, Fu L, Seno M.
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Journal Title
American Journal of Cancer Research
Volume: 15
Pages: 80-88
Peer Reviewed
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