2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23650604
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
松田 陽子 日本医科大学, 医学部, 講師 (20363187)
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Keywords | 三次元培養 / 癌幹細胞 / 膵癌 |
Research Abstract |
癌幹細胞は癌の増殖、浸潤、転移、治療抵抗性、再発において重要な役割を担っており、治療標的として注目されている。本研究では3次元培養下における癌幹細胞の動態や癌幹細胞の保持について検討した。スフェア形成法は癌幹細胞を濃縮する方法として広く用い られている。ヒト膵癌培養細胞において、スフェア形成細胞は、非スフェア細胞にくらべて、細胞増殖の低下、細胞遊走の亢進、マウス腫瘍形成能の亢進を示した。qRT-PCR法にて、スフェア形成細胞は、非スフェア細胞に比べて、nestin, CD44, ABCG2のmRNA発現の亢進がみられた。さらに、short hairpin RNA (shRNA) を用いて、幹細胞マーカーのnestinの発現をknockdownした膵癌細胞では、スフェア形成能の低下が観察された。また、DNA microarrayの結果、スフェア細胞ではephrinの発現亢進が見られた。平成24年度は、生体内での癌幹細胞とスフェア細胞を比較検討するため、マウス転移モデルを作成した。循環血液中腫瘍細胞は、遠隔転移の直接的な原因となる細胞であり、幹細胞性と上皮間葉転換の両方の機能が関与していることが報告されているため、膵癌のマウス転移モデルから血液中の腫瘍細胞を採取した。DNA microarrayを用いて遺伝子変化について網羅的に解析したところ、循環血液中腫瘍細胞ではEGFR発現亢進が認められた。今後、in vitro, in vivoの癌幹細胞の性質や遺伝子変化について解析を行い、癌幹細胞を効率よく検出することが可能な方法の確立を目指す。さらに、癌幹細胞に関与するmicroRNA等の制御機構についても検討を行う。
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Research Products
(12 results)