2012 Fiscal Year Annual Research Report
ショットガンプロテオミクスを用いた癌の診断・治療標的候補分子の網羅的解析
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23650612
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
吉田 清嗣 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (70345312)
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Keywords | プロテオミクス / 癌 / 腫瘍マーカー |
Research Abstract |
本研究では、2DICAL法という無標識サンプル間比較解析が可能な定量性プロテオミクス解析システムを構築し、様々な解析を行うことを目標とした。平成24年度は、我々が焦点を当てて研究を進めているDYRK2やp53などについて、2DICAL法を用いて会合分子の単離やリン酸化部位の同定を試みた。興味深いことに、DYRK2の基質分子候補が多数同定されており、そのいくつかについて現在精力的に機能解析を進めている。p53によって特異的に誘導される細胞死関連分子についても、その会合分子群をプロテオーム解析によって明らかにすることで、新たなp53による制御機構が判明しつつある。また我々は近年、細胞周期に関わる分子が分裂期において特異的にリン酸化修飾されることを見出し、2DICAL法の解析システムを応用してこのリン酸化部位の同定を試みた。その結果、新たなリン酸化部位を一カ所同定することに成功した。この分子のリン酸化は細胞が分裂期に突入し、分裂前期で染色体が効率よく凝縮するために必須であることを見出した。以上より、2DICAL法はリン酸化修飾の同定にも極めて有効なシステムであることが判明した。本研究を通して、2DICAL法による解析基盤を確立できたのみならず、幅広いアプリケーションへの可能性にも寄与できたと考えている。今後は、他の翻訳後修飾、例えばアセチル化やユビキチン化などの同定にも応用できるかについても、検討を進めていく予定である。
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Research Products
(4 results)