2012 Fiscal Year Annual Research Report
tRNaseZLのsgRNAとなる新規RNAの探索とそのがん病態との関係の解析
Project/Area Number |
23650618
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Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
梨本 正之 新潟薬科大学, 応用生物科学部, 教授 (30228069)
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Keywords | 腫瘍マーカー / 血漿RNA / 多発性骨髄腫 / sgRNA / tRNase ZL / 血液がん |
Research Abstract |
本研究の目的は、tRNase ZLのsgRNAとなる新たな細胞内および血漿中のRNAを探索し、そのRNAががん病態とどのような関係にあるかを解析することである。 2種類のヒト正常細胞株(HEK293、IMR90)および8種類のヒトがん細胞株(HL60、RPMI-8226、KMM-1、Jurkat、Huh7、A549、HepG2、HeLa)から全RNAを抽出し、RT-PCRによりcDNAを増幅させ、5から35-ntのRNAに相当するcDNA画分をゲル精製した。また、3人の健常人および3人の多発性骨髄腫患者の血漿から、同様に、5から35-ntのRNAに相当するcDNAを調整した。更に、3人の健常人および3人の多発性骨髄腫患者の末梢血単核細胞由来の全RNAに関しても、同様に、5から35-ntのRNAに相当するcDNAを調整した。これらのcDNAサンプルの塩基配列および存在頻度は、Illumina HiSeq 2000を用いて解析した。 これらの解析から、それぞれの細胞株内および末梢血単核細胞内に存在する5から35-ntのRNA種の存在頻度に、それぞれ特徴的なパターンがあることが示された。血漿中の5から35-nt RNA種の存在頻度についても、同様に特徴的なパターンが見出された。更に、健常人および骨髄腫患者の末梢血単核細胞由来の5から35-nt RNA種の存在頻度の詳細な解析から、骨髄腫患者のRNAに有意に高頻度、あるいは低頻度で存在するtRNase ZLのsgRNAとなりうるRNA種を多数発見した。これらのRNA種は形質細胞のがん化機構に何かしら関係しているのかもしれない。また、血漿RNA種のあるものは骨髄腫マーカーとして使える可能性があるが、今回の解析では、骨髄腫患者由来の血漿RNAが十分量得られなかったために確かなことは言えなかった。
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