2012 Fiscal Year Annual Research Report
新世代REICアデノウィルスによる純国産がん遺伝子治療の統合新戦略
Project/Area Number |
23650625
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
許 南浩 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (70142023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪口 政清 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (70379840)
片岡 健 岡山理科大学, 理学部, 准教授 (10293317)
村田 等 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (90579096)
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Keywords | がん遺伝子治療 / アデノウイルス / REIC / DKK3 |
Research Abstract |
前年度では、がん治療用REICアデノウィルスに、独自に開発した新規プロモーターシステムを搭載し、さらに新規アデノウイルスアダプターを付加することで、従来に比較して遥かに強力ながん選択的感染、且つ遺伝子発現を可能にした。当該年度では、この「新世代REICアデノウィルス」について、抗腫瘍効果をin vitroとin vivoで評価した。成果は以下の通りである。 (1) 担がんマウスを用いた治療効果の判定: 総合的な抗腫瘍性治療効果を判定するため、従来のREICアデノウィルスと「新世代REICアデノウィルス」を担がんマウスへ投与し、治療効果を比較した。その結果、新世代REICアデノウィルスは、従来に比較してREICタンパク質の発現を10-100倍のレベルで強力に上昇させ、強力な抗腫瘍効果をin vivoで示すことが判明した。 (2) 腫瘍周囲血管への影響などの副作用を検討: 新世代REICアデノウィルス投与による過剰発現REICが、腫瘍周囲の血管新生亢進に働くかどうかの検討を病理学的に行った。その結果、移植がん細胞由来腫瘍の顕著な縮小を認め、血管新生の増進も検出されなかった。 以上、当成果より、新世代REICアデノウィルスは従来に比較し、その抗腫瘍効果を大幅に上昇させることが判明した。これは、従来のものに比較して生体内投与量を極度に減らすことが可能と考えられ、治療効果を残したままで、アデノウィルスの持つ副作用の大幅な改善にも貢献することが期待された。
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Research Products
(19 results)