Research Project
本研究の成果として、肝細胞がんに対するソラフェニブ治療著効例の効果予測因子となる11q13の遺伝子増幅を初めて特定した。当該遺伝子増幅領域はFGF3,FGF4,FGF19,cyclinD1等の遺伝子が存在し、ソラフェニブの阻害活性を有するFGFシグナルのリガンドが3遺伝子含まれる。多施設共同臨床試験において全国からソラフェニブ著効例を集積して解析したところ、10例中3例に遺伝子増幅を認めたが、非著効例では1例も認めなかった(p=0.006)。FISH解析でもFGF3の著明な遺伝子増幅を確認した。動物実験において、FGF4強制発現がん細胞はソラフェニブに奏功することを確認した。臨床的因子としては、肺転移症例および低分化型組織例がソラフェニブ著効例の効果予測因子となることを示した。これらの結果は現在投稿中である(Hepatology,in revise)。本研究の成果により、血管新生阻害薬の奏功メカニズムにおいてがん細胞側の効果規定因子があることを初めて示し、臨床的に有効なバイオマーカーを特定した。ソラフェニブに対して著効した肝細胞症例の組織(凍結、パラフィン包埋切片)は、現在も収集を続けている。CGH arrayのコピー数変化の解析については、ソラフェニブ著効例がん組織を試料に解析し、上記の11q13遺伝子増幅領域を同定した。パラフィン包埋切片由来のDNAでも簡便に検出できる新しい方法として、定量的PCRベースの技術であるCopy number assayを臨床応用した。MassArrayシステムを用いた遺伝子変異解析においては、29例の肝細胞がんに対して解析を行い、いくつかの異常を検出して検討を進めている。本研究では肝細胞がんに対するソラフェニブ治療について予定以上の成果が得られたと考えている。
All 2012 2011
All Journal Article (20 results) (of which Peer Reviewed: 10 results) Presentation (8 results) Patent(Industrial Property Rights) (1 results)
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