2011 Fiscal Year Research-status Report
ワールブルグ効果解消による癌治療開発へ-がん組織バンクを活用して
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23650629
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Research Institution | Miyagi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
佐藤 郁郎 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), ティッシュ―バンクセンター, センター長 (50225918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 しげみ 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 特任研究員 (80600006)
田沼 延公 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 主任研究員 (40333645)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | ワールブルグ効果 / 分子標的治療 / 代謝異常 |
Research Abstract |
腫瘍細胞特有の糖代謝スタイル(ワールブルグ効果)と密接に関連する「解糖系酵素遺伝子のスプライシング異常」の臨床的意義解明に取り組んだ。当該研究施設がん組織バンク所収検体を対象に、ピルビン酸キナーゼM(PKM)遺伝子のスプライシング解析を行うとともに、その結果と各種臨床情報との照合・比較・相関解析を進めた。さらに、スプライシング異常が惹起される分子メカニズムについても検討を行った。これまでの解析により、以下の点が明らかになった:(1)非小細胞肺がんにおいて、TNM因子との相関はみとめられないが、stage 1a期の検体ではスプライシング異常の程度が比較的低いこと、(2)非小細胞肺がんにおいて、腫瘍径が比較的小さな症例においては、スプライシング異常の程度とFDG-PETシグナル(SUVmax値を使用)との間に相関がみとめられること、(3)小細胞肺がん、および頭頸部がんの多くの症例では、スプライシング異常はみとめられないものの、PKMの発現異常が起きていること、(4)乳がんにおいて、スプライシング異常とVEGF(血管新生に関与する増殖因子)発現との間に強い相関があること。Her2異常との相関はみとめられないこと、(5)乳がんのPKMスプライシング異常が、いくつかの抑制性スプライシング制御因子の発現異常と強く相関すること、(6)それらスプライシング因子の発現を抑制することで、PKMスプライシング異常を、部分的にながら、是正することができること。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東日本大震災ににより、解析途上、または前処理を既に施してあったサンプルが多く失われ、保存組織から再度調製する必要等が生じたため、計画全体に遅れをきたした。
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Strategy for Future Research Activity |
バンク検体の収集と解析を継続的に行うことは当初の予定通りである。震災に伴って失ったサンプルに関しては、ほぼリカバリーを終えており、引き続きバンクの拡充とデータの蓄積、および解析症例のフォローアップを進める。当初、H23年度内を予定していたDNAマイクロアレイ解析(比較的高額を要する)等を、今後行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実施状況報告書(様式F-6-1)における"次年度使用額"の大半は、前上述のマイクロアレイ解析に使用する予定である。
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