2012 Fiscal Year Annual Research Report
ワールブルグ効果解消による癌治療開発へ-がん組織バンクを活用して
Project/Area Number |
23650629
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Research Institution | 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所) |
Principal Investigator |
佐藤 郁郎 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), ティッシュバンクセンター, センター長 (50225918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 しげみ 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 特任研究員 (80600006)
田沼 延公 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 主任研究員 (40333645)
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Keywords | 代謝 / 解糖系 / ワールブルグ効果 / PKM / スプライシング |
Research Abstract |
がん細胞に特徴的な代謝スタイル(嫌気的解糖系の構成的異常亢進:ワールブルグ効果)と密接に関連する「解糖系酵素遺伝子のスプライシング異常」の臨床的意義や分子機構解明について、(1)臨床サンプルを用いた解析、および(2)独自の機能的スクリーニング系開発、という2つのアプローチによって、取り組んだ。本年度の成果としては; (1)当該研究施設がん組織バンク所収検体を対象に、ピルビン酸キナーゼM(PKM)遺伝子のスプライシング解析を行うとともに、その結果と各種臨床情報との照合・比較・相関解析を進めた。その結果、いくつかのがん種において、スプライシング異常への関与が疑われる、スプライシング制御因子の、がんにおける発現上昇を見出した。 (2)スプライシング異常に関わる遺伝子・因子の探索や、異常是正効果をもつ低分子化合物スクリーニングへの応用を目的として、PKMのスプライシング変換を、蛍光によって、生細胞可視化できるレポーター遺伝子を作製した。そして、このレポーターコンストラクトを組み込んだBACコンストラクトを作製した。このBACコンストラクトを用い、可視化レポーター遺伝子を染色体に安定的に組み込んだ細胞株(PKM-fp細胞)を樹立した。前述「1」にて発現上昇がみられたスプライシング因子のノックダウン実験等を行うなどして、上記レポーター遺伝子の動作確認等を行い、概ね良好な結果を得た。次いで、標準化合物ライブラリーの供与を受け、スクリーニング系の試験的運用を開始した。
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