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2011 Fiscal Year Research-status Report

腸管腫瘍におけるパイエル板の役割

Research Project

Project/Area Number 23650631
Research InstitutionNagasaki International University

Principal Investigator

藤本 京子  長崎国際大学, 薬学部, 助教 (50435137)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords大腸がん / パイエル板 / 食物繊維
Research Abstract

腸管内は、食べ物を消化吸収するだけでなく外部から侵入してきた異物から身を守るため、免疫応答システムが活発に作用していることが知られている。その中心的役割を果たしているのが、パイエル板と呼ばれる器官である。我々は、ApcMin/+マウスにおいて、パイエル板数と腸管内に発生するポリープ数が逆相関にあることを発見した。そこで、パイエル板と腸管腫瘍にどのような関係があるのかを明らかにするために実験を行った。 23年度において、パイエル板数は加齢とともに減少すること、またパイエル板数と腸管ポリープ数の逆相関の関係は、若齢マウスよりも老齢マウスの方が顕著であることがわかった。 次に、パイエル板数増加物質として知られるトウモロコシから抽出した水溶性食物繊維であるアラビノキシラン(AXY)をApcMin/+マウスに摂取させた。食物繊維と大腸がん罹患との関係は、長年調査されているが、さまざまな見解があり、未だに結論が出ていない。そこで我々は、食物繊維、大腸がんとパイエル板に着目し実験を進めた。その結果、AXY含有飼料を摂取したマウス群は、コントロール群と比較するとパイエル板数は増加傾向がみられ、発生したポリープ数は有意に減少することが分かった。ポリープサイズについては、有意差が見られなかったことから、食物繊維であるAXYは腸管においてポリープ発症自体を抑制していると思われる。これらのことから、AXYは大腸がん予防効果を示す可能性が示唆された。 ApcMin/+マウスにパイエル板を欠損させ、腫瘍数にどのような変化が生じるかを明らかにするために、ApcMin/+マウスとパイエル板欠損マウスを交配させた。現在、このマウスは繁殖中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

パイエル板欠損ApcMin/+マウスについては、当初予定していたよりも交配に時間がかかり、進行が遅れている。しかし、大腸がん予防の観点からすると、アラビノキシランに大腸がん予防効果の可能性が見出されたことから、当初の予定に加え、新たな分野へ進展しつつある。

Strategy for Future Research Activity

パイエル板数増加物質として使用した食物繊維AXYに、腸管ポリープを有意に減少させる効果があることが分かった。パイエル板数は期待したほど増加しなかったが、機能性食品としての可能性を見出した。今後、腸管ポリープが減少した機序を解明すべく、AXYが腸内細菌叢に与える影響、免疫細胞に与える影響などを探っていきたい。 パイエル板数とポリープ数との逆相関の関係は、若齢マウスではあまり見られず、老齢マウスほど顕著であったことから、時間の経過に伴うポリープ数増加を食い止めるためにはパイエル板を維持する必要があるかもしれない。そのために、老齢マウスと若齢マウスの腸内細菌叢の違いに着目し、パイエル板数との関係を探っていきたいと考えている。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

24年度は、引き続きマウス飼育維持費を計上し、そのほか、AXYを摂取したマウス群の血中サイトカインの解析などに重点的に費用を充てたい。また腸内細菌叢の動向をみるために定量PCRを行うので、その試薬費にも使用する。 23年度に得られた結果をもとに、学会発表や論文執筆費にも充てる予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2011

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Primary screening of Single Nucleotide Polymorphisms in human Calreticulin 3 (CALR3)2011

    • Author(s)
      Shinji Irie, Junko Nakamura, Yasushi Miyagawa, et al.
    • Journal Title

      The Open Andrology Journal

      Volume: 3 Pages: 30-35

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 多剤耐性タンパク質の細胞内局在におけるリシン・リッチ領域の役割2011

    • Author(s)
      南恵美、藤本京子、榎田陽介、横田貞記、和田守正
    • Organizer
      日本分子生物学会
    • Place of Presentation
      横浜
    • Year and Date
      2011 – 1215

URL: 

Published: 2013-07-10  

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