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2011 Fiscal Year Research-status Report

蛍光性海洋溶存有機物の連続鉛直分布の評価:新海洋学パラメーターとしての確立の試み

Research Project

Project/Area Number 23651003
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

山下 洋平  北海道大学, 地球環境科学研究科(研究院), 准教授 (50432224)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords海洋科学 / 地球化学
Research Abstract

海水中の蛍光性溶存有機物に由来する蛍光強度は見かけの酸素消費量や栄養塩濃度と同様な海洋学パラメーターと成りうる事が研究代表者の過去の研究より明らかとなった。蛍光性溶存有機物はin situ蛍光光度計の導入により、その分布を高解像度で評価できる可能性があり、蛍光性溶存有機物を新海洋学パラメーターとして確立する意義は大きい。しかし、観測事例が少ない事、蛍光性溶存有機物の分析が一般的でない事が問題点としてあげられる。そこで、本研究では蛍光性溶存有機物の詳細な時・空間分布を明らかにする事により、 そのin situ蛍光光度計を用いた高解像度分析の可能性を評価し、また新海洋学パラメーターとしての確立を試みる。外洋域において蛍光性溶存有機物の蛍光スペクトルを評価した研究例は少なく、蛍光スペクトルの時・空間的な異同に関してはよく分かっていない。in situ蛍光光度計では、固定された励起波長及び蛍光波長が使用されるため、蛍光スペクトルが海域・水深によって変化しない事がin situ蛍光光度計の導入に極めて重要である。 平成23年度は、蛍光性溶存有機物存在量の大きく異なる北西部北太平洋亜寒帯および亜熱帯海域の表層から深層における溶存有機物試料を採取し、3次元励起蛍光スペクトルを測定した。更に、3次元励起蛍光スペクトルをParallel Factor Analysisを用いて多変量解析したところ、蛍光性溶存有機物組成は1000m以深では変化しないものの、1000m以浅では変化する事が明らかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成23年度は北西部北太平洋亜寒帯および亜熱帯海域の表層から深層における溶存有機物の蛍光スペクトルを測定し、そのスペクトルの解析から蛍光性溶存有機物組成の時・空間分布を明らかにする事を第一の目的とした。 平成23年度は北西部北太平洋亜寒帯および亜熱帯海域で実施された計5研究航海分の試料を分析し、更に多変量解析から蛍光性溶存有機物組成の時・空間分布を評価する事ができた。その結果、蛍光性溶存有機物組成は水深によって変化する事が明らかとなった。この知見は、in situ蛍光光度計から得られるデータには蛍光性溶存有機物組の違いを補正する必要がある可能性を示し、それを新海洋学パラメーターとして確立する際の検討に大きく貢献するものである。

Strategy for Future Research Activity

平成23年度は主に北西部北太平洋から採取した試料を用いて評価を行った。平成24年度は平成23年度に採取した赤道太平洋の試料および平成24年度に計画されている中部北太平洋の航海において採取予定の試料を分析・解析する事により、平成23年度に得られた結果の普遍性について検討する。得られる全てのデータを検討する事により、in situ蛍光光度計から得られるデータを新海洋学パラメーターとして使用できるか、否か、を判断する。使用可能と判断された場合は、必要なデータ補正方法を含め、in situ蛍光光度計から得られるデータの新海洋学パラメーターとしての可能性を提案する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

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URL: 

Published: 2013-07-10  

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