2012 Fiscal Year Research-status Report
海洋有光層下水中古細菌群集の増殖および代謝活性の現場測定手法の構築
Project/Area Number |
23651004
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
内海 真生 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (60323250)
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Keywords | 生物海洋 / 微生物代謝測定 |
Research Abstract |
本研究は、申請者自身が開発した採水機ROCS(Rotary Clean SeaWater Sampler)の時系列採水機能と、本申請で新たに開発・改良を行う海洋中層で使用可能な新型微生物培養装置を用い、海洋有光層下(水深200~2,000 m)水中に生息する微生物群集の増殖速度や増殖 特性について現場培養から定量評価することを目的に実施している。 H24年度は、H23年度に改良した新型ROCS現場培養機の更なる機能向上を目指し、システム系の一部改良を行った他、5月に実施した駿河湾での現場実験で不具合が発生した2つの培養槽を稼働させる際に最も重要な構成要素となる逆止弁についての検討を行った。 実験室でのROCS現場培養機の改良作業に付随して、H24年5月に静岡県焼津市沖駿河湾中央部において漁船を利用した現場培養実験を含む海洋調査を行った。漁船の状況に応じた調査計画および装置を使用することで、ROCS培養機の作動確認および現場培養実験、海水試料採取などが問題なく実施可能であることを再確認し、船上作業の効率化に関する目処が立った。しかしながら、新しく導入したロンテナー型バッグ培養槽への現場水深海水試料の導入に失敗した。この原因として、2つのバッグ培養槽に海水試料を分注する際に使用している逆止弁の海中での動作不具合が判明したことから、使用する逆止弁について現在再検討を進めている。 H25年度の夏に、再改良した培養槽および逆止弁を装着させたROCS培養機を用いた駿河湾現場調査を計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究申請は、研究目的が、①現場培養装置(特に培養槽)の改良・作成、②漁船を利用した現場培養実験手法の構築、③得られた試料の解析、と明確であること、これまでの挑戦と経験に基づいた装置改良、実験手法構築を行っていることから、研究を遂行する際の 支障が少ない。H24年度は、研究2年目で、新規改良したことによる装置の不具合が現場培養実験の段階で判明し、培養実験そのものは失敗に終わったが、漁船上での更なる実験作業効率向上に関する目処も立ち、失敗の原因についても特定出来ていることからおおむね順調に研究が進展していると判断している。野外調査研究での自然現象による遅延や思いもよらない障害は不可避であり、最終年度の来年度は本研究の集大成としての現場調査を夏に行う計画を持で既に漁船側とも調整中であり、計画遂行への支障は現時点ではほとんどないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
1) 現場型微生物培養装置の改良 昨年度現場調査の作業時に不具合や不便が確認された点、現場培養の結果から判明した培養装置の不具合(逆止弁)に関して、その改良・交換を行い、完成度を高めた培養装置とし漁船調査に備える。 2) 現場培養実験の実施とサンプルの微生物学的解析 H25年度は1回(夏)の駿河湾中層現場培養調査研究を計画している。同一水深での海洋古細菌群集の増殖および代謝特性を測定し、古細菌群集の増殖や代謝の季節変動特性を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
「該当なし」
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Research Products
(4 results)