2012 Fiscal Year Annual Research Report
全方位フーリエ分光イメージング-非整備環境の2次元分光計測への挑戦-
Project/Area Number |
23651016
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
石丸 伊知郎 香川大学, 工学部, 教授 (70325322)
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Keywords | 全方位 / フーリエ分光 / 広視野イメージング / 環境計測 |
Research Abstract |
我々は、提案している結像型2次元フーリエ分光法の、非整備環境計測への発展を目指している。フーリエ分光法は、温室効果ガス観測技術衛星”いぶき”(2009年1月打ち上げ)に搭載された分光手法であり、急峻なガスの吸収スペクトルを計測できる唯一の手法である。本申請では、大気の揺らぎ等、外乱の影響が大きな非整備環境下での全方位2次元フーリエ分光イメージング計測技術へと提案手法を発展させた。これによれば、地上での広範囲な環境モニタリングや、火山などの危険地域の遠隔からの監視、農業地域などの生育状況計測、プラント設備管理技術など、様々な環境や工業計測分野での、広範囲な分光イメージングへの道を切り開くことが可能になる。 我々の提案する結像型2次元フーリエ分光方式は、結像条件を満たす光線群のみに限定して、高い空間解像度で高感度2次元分光イメージングが可能である世界で唯一の手法である。この新規な分光原理の適用範囲を拡張するために、非整備環境下への適応へ挑戦した。これは、例えば、天体分光観察に適用できれば、星を光源として透過してきた大気の成分を分光吸収率から計測することが可能になる。また、工場のプラントや建築物の遠隔2次元分光評価が可能になる。更に、グローバルな地球観測・解析データと統合して、社会インフラのグリーン化への貢献も目指す。 今後、衛星による地球観測技術や、地球シミュレータなどのグローバルな解析予測技術との統合を目指す。これにより、各地域での詳細な環境予測を、地球規模での気候変動に基づいて行うことが可能になる。また、逆に、グローバルな地球環境の予測精度を向上させることも可能になる。
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