2011 Fiscal Year Research-status Report
微生物細胞膜脂質14C分析に基づく海洋DOC炭素循環と微生物ループとの関連性解明
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23651021
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
内田 昌男 独立行政法人国立環境研究所, 環境計測研究センター, 主任研究員 (50344289)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 古細菌 / DOC / 放射性炭素 / 炭素循環 |
Research Abstract |
近年、分子生物学的手法の進歩から、非熱水性の古細菌が海洋全層に分布し、それらの古細菌が光合成非依存の化学合成独立栄養を高い活性で行ってい ることが示唆されるようになった。本研究では、これら海洋古細菌の代謝特性について地球科学的手法を用いて定量的に明らかにすることにより、海洋 DOCプールを中心とした炭素循環と海洋微生物ループとの関連性解明のための知見を得る。すなわち、14Cによるマスバランスモデルとボックスモ デルを用いて、微生物が用いるDOC炭素のターンオーバー時間を求め、海洋表層の一次生産量と従属栄養・独立栄養として微生物バイオマスが果たす役割について定量的に解明するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで(A)研究試料の採取、(B)分析方法の検討・確立、(C)微生物バイオマス(rRNA、細胞膜脂質分子(PLFA,GDGTs))の抽 出、DOC, DICの14Cの測定に充填を置き研究を進める。試料採取は、外洋における大量海水ろ過を行う前の準備期間の一環として、国内の深層水くみ上げ施設、静岡 県清水市の静岡県駿河湾深層取水施設(採水深度397m)で行った。フィルターに補足された微生物膜脂質分子(エーテル脂質GDGTs(分子量 ca. 1300)(古細菌起源)、リン脂質脂肪酸(細菌起源))の抽出と同定を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
海洋微生物の炭素源の解明のため、北極海、北太平洋、駿河湾等で採取した試料から微生物脂質を大量抽出する為のシステムの開発と抽出した微生物脂 質の14C 測定を行う。また海洋DOCの14C分析のための抽出ラインの製作を行う。14C同位体マスバランスモデルを用いた微生物利用DOC炭素循環に関する知見を得る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
北極海で採取された海水試料を用いて、DOCの濃度及びそれらの放射性炭素分析の為の分析用消耗品購入に使用する。また14C分析に関する依頼分 析の為の経費に使用する。
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Research Products
(1 results)