2012 Fiscal Year Annual Research Report
小流量・小型軽量ナノ粒子リスクリアルタイムモニタリング技術の開発
Project/Area Number |
23651024
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
古内 正美 金沢大学, 環境デザイン学系, 教授 (70165463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 吉生 金沢大学, 自然システム学系, 教授 (10152175)
畑 光彦 金沢大学, 環境デザイン学系, 助教 (00334756)
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Keywords | 個人曝露 / 環境ナノ粒子 / エアロゾル / 慣性フィルタ / 作業環境 |
Research Abstract |
1.装置開発・改良:道路近傍や喫煙空間などの生活環境,微粒子を取り扱う作業環境といった比較的高濃度かつ粗粒子が多い環境も含めて試験調査を行い,綿状繊維層のみでは負荷粉じんの吹き抜けや再飛散への対応が十分でないことが分かった。これを踏まえ,前段に粗粒子除去用インパクタを追加したパーソナルサンプラ(5L/min)を試作し,良好な性能を発揮できることを示した。また,小流量ではないが,この結果を基に前段インパクタと大断面金属メッシュと複数の小円孔を持つスペーサを交互積層したマルチノズル慣性フィルタを組み合わせた大流量サンプラの開発にも成功し,装置が備えるべき基本構造を整えた。さらに,円孔スペーサ径の微調整による分級特性の最適化,ベルマウス型入口ノズルの採用でさらなる低圧損化を実現した。以上の結果と,市場価値が十分あるとの判断を踏まえ,メーカーの協力を得て商品化を具体的に開始した。 2.実態調査・評価:前年度の結果に加え,喫煙者副流煙曝露,作業環境曝露(ナノ粒子製造,紡織工場),タイ都市部生活環境等での曝露調査,既存サンプラとの大気エアロゾル同時観測等を行い,タバコ煙と道路交通の生活環境中のナノ粒子源としての重要性を改めて示すなどの結果を得た。タイ北部の高肺ガン罹患率の農村でナノ粒子曝露の予備調査を実施し,高いナノ粒子比率等を明らかにした。代謝物分析については今後の課題として残された。 3. ナノ粒子の挙動とリスク評価方法の検討:本研究を通じて,小流量用慣性フィルタは技術的にほぼ完成し,応用例としてのナノ粒子個人曝露評価装置も実用レベルに達した。生活環境中の個人曝露評価方法については,改良装置を用いて引き続きデータを蓄積しながら検討する。作業環境については,厚労省管轄委員会の委員として評価方法の検討を行うことを研究期間中に開始しており,本研究での成果を反映させながら検討を継続する。
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Research Products
(10 results)