2012 Fiscal Year Research-status Report
地球温暖化対策に関する正確な情報を意思決定者に伝達するメカニズムの研究
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23651040
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
藤倉 まなみ 桜美林大学, 総合科学系, 教授 (30458955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤倉 良 法政大学, 人間環境学部, 教授 (10274482)
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Keywords | アメリカ合衆国 / ロビイスト / 環境政策 / 政策過程 / 気候変動 |
Research Abstract |
米国におけるロビイストの歴史及び現状、さらに気候変動分野を中心とする環境分野のロビイストの状況について、文献調査及びヒアリング調査を行った。 ロビイストにとって最も重要なことは事実に基づいた客観的かつ信頼性の高い情報を意思決定者に提供することである。優秀なロビイストは意思決定者との信頼関係を構築し、意思決定者やそのスタッフが必要としている情報を確実に提供できる者である。誤解を招くような、あるいは虚偽の情報を提供したりすれば意思決定者は疑念を持つようになる。そのため、効果的なロビイングを行う際には自分が提供する情報は正確であることを理解してもらい、さらには、意見が対立する者からの資料には誤りが含まれていることを示さなければならない。ロビイストは意思決定者が判断する際に、情報を提供し、影響を及ぼせるようにするために、多様な戦略を用いる。政治家は有権者の意向に敏感であるから、選挙区内の有権者に対して特定の行動を促すことは効果的なロビイングである。ロビイストは関心のある分野に対して最も影響力のある意思決定者を正確に選び出し、その意思決定者の主要政治課題を見極めなければならない。政策過程や、政治課題がそれぞれの時点でどこでどのように議論されているのかを熟知していなければならない。彼らは、反対意見に対処し、自分たちの影響力の範囲を広げるために様々なアクターと協力関係を構築する。政治家に対して影響力を行使するまでには時間がかかり、そのためには研究と努力が必要であり、様々な戦略が検討されなければならない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「ロビイスト先進国」である米国のロビイストの現状についてほぼ明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
国内で気候変動対策に関連するロビイングがどのように行われているかを明らかにしたうえで、研究をとりまとめ、今後の日本のロビイングの方向性を明らかにしたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国内でのヒアリング調査と海外での研究発表を行い、調査結果を取りまとめる。
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