2012 Fiscal Year Annual Research Report
メダカ卵への新たな物質導入法による化学物質の発生影響評価法
Project/Area Number |
23651057
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Research Institution | Ariake National College of Technology |
Principal Investigator |
冨永 伸明 有明工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (30227631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有薗 幸司 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (70128148)
河野 晋 有明工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (30270375)
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Keywords | 発生影響 / パルスパワー / メダカ / マイクロアレイ |
Research Abstract |
本年度は,以下のような結果が得られた. 高電界パルスの印加条件の検討を行い,昨年度より導入効率が高い条件を見出すことができた.この条件を用いることで,シクロヘキシミドを導入するとほぼ100%のメダカに死亡あるいは発生異常が生じた.また,アクチノマイシンDでも死亡,異常発生率の上昇が見られ,高分子の導入効率を上げることに成功した.実際に化学物質の発生影響評価の可能性を探るため,ビスフェノールA(BPA)を用いて導入量の定量およびDNAマイクロアレイによる遺伝子発現変動の解析を行った.導入量については,外液濃度50uM BPA溶液を用い,暴露卵を十分に洗浄した後,外側の水分をキムワイプで除去し,エッペンドルフチューブ内でホモジネートした.遠心分離後,得られた溶液を卵抽出液とした.卵抽出液中のBPA濃度をGC-MSで分析した.BPA溶液に浸漬しただけのコントロールでは卵抽出液のBPA濃度は約2 uMであったが,パルスを行った卵の抽出液のBPA濃度は約90 uMであり,メカニズムは不明であるが,外液より高い濃度で取り込まれていることが分かり,パルス印加の取り込み効果が高いことが確認された.また,DNAマイクロアレイの結果から,BPA溶液に浸けただけで有意な発現変動を示す遺伝子が数個存在したが,パルス印加後の方が多くの遺伝子の発現が変動しており,BPAの発生途中の卵への導入量が増加したことで影響が増したことと考えられた.以上の結果から,まだ詳細な検討が必要ではあるが,本研究で検討した高電界パルスによるメダカ卵への化学物質導入試験系は発生影響評価手法として有効であることが示唆された.
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Research Products
(3 results)