2011 Fiscal Year Research-status Report
植物進化の環境適応形態を模擬したコンパクト受光システムの開発
Project/Area Number |
23651059
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
小原 伸哉 北見工業大学, 工学部, 教授 (10342437)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 受光システム / 太陽電池 / 植物シュート / 遺伝的アルゴリズム / 太陽電池モジュール / 再生可能エネルギー / 日射量 / ふく射伝熱 |
Research Abstract |
現在普及している太陽電池モジュールなどの受光体は,大きな受光量を得るのに広い設置面積を要する。さらに,太陽電池などの受光システムは,太陽(光源)の位置のほかに,天候(直達光と拡散光の割合,日射量)や気温(太陽電池の場合は発電効率)などの環境条件からも影響を受ける。そこで本研究では,環境に適した植物の多様な形態と受光密度の関係を数値実験で調査して,これを模擬した受光システムの分散配置を計画する。環境に強く依存する植物の形態情報を参考として,受光システムの分散配置を最適化する点に,本研究の学術的な特色がある。指向性が小さく,周囲の環境に最適な受光システムが構築されると,従来の平板型の受光体と比べて設置スペースがコンパクトとなる。したがって,都市部や住宅街などの密集地での太陽電池の普及のほか,熱ふく射交換器や受信アンテナ技術での画期的な性能の向上が予想される。これまでに,葉の形態と光合成速度の関係を調査するために,モンテカルロ法および遺伝的アルゴリズムを用いた,植物シュートの受光量解析アルゴリズムを開発した。本研究ではさらに現実に近い高等な植物の形態を模擬するために,複雑な分岐構造を記述できるL-Systemの考え方の導入を試みた。これにより,2次元ではあるが,環境条件(全天日射量,直達光と拡散光の割合,外気温度,風や降雨量,積雪量,他の物体による影など)を考慮した,受光密度の最大化目的下での最適な受光体の分散配置の計画,すなわちコンパクトな受光システムの達成に近づくことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
L-systwmの導入により,植物の枝分かれに関するフラクタルを表現できるようになったため。
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Strategy for Future Research Activity |
コンパクト受光システムの評価,および受光面の温度抑制効果に関する実験を実施する。さらに,本研究の成果を学術講演会,国際会議,論文等で発表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画書の通り,実験および成果の報告を行う。
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