2013 Fiscal Year Annual Research Report
捕捉・還元・酸中和機能を有する層状複合酸化物による排水中Cr・Se・As処理技術
Project/Area Number |
23651061
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
亀田 知人 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60333895)
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Keywords | 層状複水酸化物 / クロム / セレン / ヒ素 / 吸着 / 還元 / 鉄イオン / ドープ |
Research Abstract |
Fe2+をドープしたMg-Al系層状複水酸化物(Mg-Al-Fe LDH)を用いて、Cr(VI)除去に関する平衡論及び速度論的解析を行った。Cr(VI)の吸着等温線はLangmuir式に一致し、単分子層吸着であることがわかった。最大吸着量、吸着平衡定数はそれぞれ1.37 mmol/g、15.3L/mgとなった。また、Cr(VI)除去は擬二次反応速度式に従った。見掛けの反応速度定数は、10、30、60℃においてそれぞれ0.91×10-3、1.2×10-3、2.2×10-3 min-1となり、温度の増加に伴って反応速度が増加することがわかった。求めた速度定数を用いて、アレニウスプロットを行った結果、活性化エネルギーは14.5 kJ/molとなり、物質移動律速として妥当な値(40 kJ/mol以下)となった。Mg-Al-Fe LDHとCr(VI)の反応は、Cr(VI)がLDH層間に物質移動する過程が律速段階であるということがわかった。 以上、本研究では、共沈法によりMg-Al-Fe LDHを合成することができた。また、水溶液中のCr(VI)、As(V)、Se(VI)の除去において、Mg-Al-Fe LDHはMg-Al LDHよりも、優れた吸着特性を有していた。Cr(VI)の吸着等温線はLangmuir式に一致し、擬二次反応速度式に従った。 捕捉・還元機能を有するLDHを合成し、重金属オキソアニオンの除去を行う上で重要な多くの知見を得ることができた。さらなる研究により、効率的に重金属オキソアニオンを除去する方法の一つとしての応用が期待される。
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Research Products
(4 results)