2012 Fiscal Year Research-status Report
廃熱の有効利用-熱エネルギーを用いたサイレンサーの基礎検討-
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23651072
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
坂本 眞一 滋賀県立大学, 工学部, 准教授 (40449509)
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Keywords | 熱音響 / サイレンサー / 廃熱 / 温度勾配 / 音 / エネルギーの有効利用 / 温暖化防止 |
Research Abstract |
熱音響現象を用いることによって,音と熱エネルギー間の相互エネルギー変換が行われる.この現象を利用することによってサイレンサーを構築する可能性を目指している.スタックに形成された温度勾配とサイレンサーの特性の関係を調査するため,温度勾配と音圧振幅の関係,温度勾配と周波数の関係についての詳細な測定を継続して進めている.それらの結果より,スタックの材質が性能に大きく影響する可能性を示唆するデーターが得られた.また,簡易的ではあるが,音響時間差分法を用いたシミュレーションについても取り組んでいる.これらの結果を基に新しいスタックを提案・作製し,そのサイレンサー特性の調査した.ガラス管を束ねた形のガラススタックやポリイミドチューブを束ねた形のポリイミドスタックにおける測定を行った.これらの結果より,ある条件においては,従来のハニカムセラミックスやステンレスメッシュを重ねたスタックよりも良い性能が得られる可能性を見いだした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
熱音響サイレンサーに用いるスタックの新しい提案ならびに作製・測定を実施した.しかしながら,他業務ならびに家庭事情(育児,出産など)により,当初の計画より遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
サイレンサーに用いるスタックなどの材料,形状の選定を進める.共鳴管内の音場(音圧,粒子速度,インテンシティなどの空間的-時間的変化)を詳細に測定することにより,選定を進めて行く.スピーカから照射する音波の音圧振幅とスタック前後の温度勾配を変化させ,その時の共鳴管内の音場(音圧,粒子速度,インテンシティなどの空間的-時間的変化)を詳細に測定する.測定結果をもとに,数値計算を進めていく.その後,スタックなどの構成部品ではなく,サイレンサー全体形状に着目する.また,サイレンサーの全体材料に着目する.材料の熱伝導率と,材料と気体との熱伝達率を考慮することによって研究を進め,形状と材料の最適化を目指す.最後に試作したサイレンサーを用いて,進行波音場内においての実験を行う.測定系の共鳴管の右端を開放にし,管の全長を長くして反射の影響を防ぎ,測定を実施し,熱音響サイレンサーの可能性を探る予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画通り,熱音響サイレンサーの可能性を探るための実験を実施する.その実験を実施するための温度センサーやシステムを構成するフランジ,スタック,スタックを構成する部品等を購入する予定である.また,これまでの実験結果より,周波数特性だけでなく,時間領域においての測定を詳細に実施する必要がある可能性がある.さらに実験を進めて,可能性が強い場合はそれらの装置を準備していく予定である.
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