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2011 Fiscal Year Research-status Report

アンモニアをキー物質とするゼロエミッション化

Research Project

Project/Area Number 23651075
Research InstitutionChuo University

Principal Investigator

船造 俊孝  中央大学, 理工学部, 教授 (60165454)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywordsアンモニア / 熱水 / ポリエステル / ケミカルリサイクル / モノマー化
Research Abstract

より広範囲な反応条件下でアンモニア熱水の有効性を検証することを目的とし、特に、本年度はポリカーボネート(PC)とポリエチレンテレフタレート(PET)のモノマー化について、モノマー収率および反応速度を測定した。また、合わせてアンモニアだけでなく種々のアミンを求核剤として用い、その有効性を実証した。 PCについては、ペレットを試料とし半回分式反応器で、種々の濃度のアンモニア熱水を反応溶媒として用い、433 K~473K、10MPaでモノマー化を行った。反応速度は反応率のほぼ全域でモノマーであるビスフェノールA収率の経時変化を表面反応モデルで記述できた。NaOHの場合と比較するとアンモニア熱水の反応速度は10~16倍大きく、アンモニアとNaOHともに、反応速度はその濃度に比例した。硫酸アンモニウム水溶液にNaOH水溶液を混合することで、発生アンモニア量を調節し、反応速度に及ぼすアンモニア濃度の影響を調べた。その結果、PCのモノマー化はアルカリ加水分解ではなく、アンモニアによる求核反応であることを示した。 ポリエチレンテレフタレート(PET)についても同様に半回分式反応器を用い、種々の反応条件下で収率と反応速度を測定した。モノマー収率はPCの場合と同様、ほぼ理論収率近くの値を得た。また、反応速度は表面反応モデルで記述でき、この場合も反応速度はアンモニア濃度に比例した。PCの場合との違いとして、生成モノマーであるテレフタル酸とアンモニアが反応して、ごくわずかアミド化合物が生成することがわかった。 PVCの脱塩素化について、回分式反応器では、反応の進行とともに反応器内に蓄積した塩素のために、反応速度の著しい低下が見られた。脱離した塩素イオンが系外に直ちに取り除かれる、半回分式反応器による脱塩素化反応データが必要であることが判明した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本課題目標であるポリエステルやポリカーボネートのモノマー化とポリ塩化ビニルの脱塩素化の両反応系についてアンモニア熱水の有効性を実証し、速度データとモノマー収率あるいは脱塩素化率の向上を目指すものであるが、本年度、PETやPC試料について、精度よく反応速度のモデル化に成功し、低反応率から90%以上の反応率までのほぼ全域で測定データをよく再現でき、反応過程を忠実に再現できた。また、モノマー回収率もPETやPCともに純試料ならば90%以上に達し、ポリマーのモノマー化の課題については、目標以上の成果が得られていると考えている。 もう一つの目標であるPVCの脱塩素については、予備実験は行ったが、H24年度集中的に実験を行う予定である。

Strategy for Future Research Activity

引き続き、ポリマーのモノマー化については、純試料の他に、実際の製品についても試験し、純試料同様の成果が得られるかを検証する。これまでの知見として、酸や塩が存在するアンモニアの解離度が増加する条件下では、反応率の低下が観測されているので、これら夾雑物の影響を定量的に評価する方法を構築する。具体的には、半回分式反応器を用いた夾雑物の影響のない条件での収率と速度データを収集し、その後、種々の濃度の夾雑物存在下の結果とを比較する。また、研究の過程で、アンモニアの他に種々のアミン類もポリマーのモノマー化に有効であることが分かったので、種々のアミン添加熱水を用いて、アンモニア熱水と同様な実験を行い、アミン種とアンモニアの結果を比較する。工業的にもアミン排液は多く排出されるので、アンモニア同様、有効利用できればゼロエミッション化に近づく。 PVCについては、夾雑物あるいは脱離した塩素イオンの影響をできるだけ取り除くために、半回分式反応器(PVCは固定、溶媒は流通)を製作し、夾雑物の影響のない条件で、まず速度と塩素収率データを取集する。次に、ポリマーのモノマー化同様、夾雑物と考えられる各種イオンや塩の含有率を変えて、同様の速度と塩素収率を測定し、これらイオンの濃度が反応速度と塩素収率に及ぼす影響を明らかにする。また、アンモニアの代わりに、各種アンモニウム塩添加熱水を溶媒として用い、アンモニアの場合と比較する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

購入備品はない。消耗品として、PVC脱塩素化実験用の半回分式反応器自作のための、継手やパイプ等の配管材料、および反応実験と分析用試薬である。旅費として、成果発表のための学会参加旅費を予定している。

  • Research Products

    (9 results)

All 2012 2011

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (7 results) Patent(Industrial Property Rights) (1 results)

  • [Journal Article] Recovery of Terephthalic Acid and Ethylene Glycol from Poly(ethylene terephthalate) under Hydrothermal Conditions of Aqueous Trimethylamine Solution2012

    • Author(s)
      Natsumi Wakabayashi
    • Journal Title

      Industrial and Engineering Chemistry Research

      Volume: 51 Pages: 5699-5704

    • DOI

      10.1021/ie202885u

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] ポリエチレンテレフタレートの解重合反応におけるアミン熱水の効果2012

    • Author(s)
      若林奈都美、小島智春、船造俊孝
    • Organizer
      化学工学会第77年会
    • Place of Presentation
      東京
    • Year and Date
      2012年3月16日
  • [Presentation] ポリカーボネートの水熱解重合反応における添加アミン種の比較2012

    • Author(s)
      小島智春、若林奈都美、船造俊孝
    • Organizer
      化学工学会第77年会
    • Place of Presentation
      東京
    • Year and Date
      2012年3月15日
  • [Presentation] Dilute aqueous amine solution under hydrothermal conditions as a reaction media for depolymerization of polyesters and polycarbonates2011

    • Author(s)
      T. Funazukuri
    • Organizer
      Super Green 2011 (International Conference on Supercritical Fluids)(招待講演)
    • Place of Presentation
      Beijing
    • Year and Date
      2011年8月27日
  • [Presentation] Chemical recycling of poly(ethylene terephthalate) in hydrothermal amine solutions2011

    • Author(s)
      N. Wakabayashi, T. Kojima, T. Funazukuri
    • Organizer
      Super Green 2011 (International Conference on Supercritical Fluids)
    • Place of Presentation
      Beijing
    • Year and Date
      2011年8月27日
  • [Presentation] Hydrothermal conversion of polycarbonate to bisphenol A in an aqueous amine solution2011

    • Author(s)
      T. Kojima, N. Wakabayashi, T. Funazukuri
    • Organizer
      Super Green 2011 (International Conference on Supercritical Fluids)
    • Place of Presentation
      Beijing
    • Year and Date
      2011年8月27日
  • [Presentation] 熱水条件下でのアミン水溶液によるポリエチレンテレフタレートの解重合2011

    • Author(s)
      若林奈都美,小島智春,船造俊孝
    • Organizer
      化学工学会第43回秋季大会
    • Place of Presentation
      名古屋
    • Year and Date
      2011-09-15
  • [Presentation] 強塩基性熱水を用いたポリカーボネートの解重合反応におけるアミン添加の効果2011

    • Author(s)
      小島智春,若林奈都美,船造俊孝
    • Organizer
      化学工学会第43回秋季大会
    • Place of Presentation
      名古屋
    • Year and Date
      2011-09-15
  • [Patent(Industrial Property Rights)] 希釈アミン水溶液によるポリエステル類のケミカルリサイクル法2011

    • Inventor(s)
      船造俊孝 外2名
    • Industrial Property Rights Holder
      船造俊孝 外2名
    • Industrial Property Number
      特許: 特許出願2011-193313
    • Filing Date
      2011年09月05日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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