2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23651075
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
船造 俊孝 中央大学, 理工学部, 教授 (60165454)
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Keywords | アンモニア / 熱水 / ポリエステル / ケミカルリサイクル / モノマー化 |
Research Abstract |
本年度は、アンモニア分子が反応剤として作用していることの実験的な検証と、アンモニア以外の反応剤としてアミン類の有効性について実証した。 昨年度、ポリエステル樹脂のモノマー化について、アンモニア熱水の有効性を実証したが、その反応機構は不明であった。ポリエステル類は酸性あるいは塩基性下でも加水分解が起こるので、モノマー化の反応はアンモニアの反応性に起因するのか、それとも塩基性によるのかが問題であった。そこで、半回分式反応器を用い、熱水条件下、硫酸アンモニウム水溶液に異なる濃度の水酸化ナトリウム水溶液を混ぜてポリカーボネート樹脂(PC)と接触させ、PCのモノマー化を行った。硫酸アンモニウム水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を混ぜると、水酸化ナトリウムと等量のアンモニアが生成する。溶液中に存在するアンモニア分子とアンモニウムイオンの量を推算し、モノマー化の反応速度がアンモニア発生量に比例して増大することを実験的に示した。このことより、塩基性ではなく、アンモニア分子がもつ反応性に起因することを確認した。また、アンモニウムイオンの多寡にはよらず、アンモニア分子の量が重要であることが分かった。この結果については、報文として現在投稿中である。 また、アンモニアだけでなく、熱水条件下の各種アミン水溶液も有効であることを示した。反応速度は、アミン分子の反応性だけではなく、ポリマーの分解時に生成する中間生成物の安定性に起因することを示した。昨年度までは純粋な樹脂試料を用いたが、本年度は各種実製品を用いた。種々の添加物を含む実製品であっても、モノマーは80~90%程度回収でき、反応速度も純粋な試料と同じく、表面反応モデルで記述できることを示した。
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Research Products
(4 results)