• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2011 Fiscal Year Research-status Report

環境浄化に資するバイオ凝集・沈殿剤および無機捕捉バイオ素材の創成

Research Project

Project/Area Number 23651078
Research InstitutionSetsunan University

Principal Investigator

尾山 廣  摂南大学, 理工学部, 教授 (50221700)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 杉村 順夫  京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (20273542)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywordsモリンガ / 種子 / タンパク質 / 濁水浄化 / 金属
Research Abstract

我々は、熱帯資源植物であるモリンガ樹(Moringa oleifera)の種子に含まれる12-kDaの塩基性タンパク質が微細な土壌粒子を沈澱させ、濁水を浄化する機能があることを見出した。このタンパク質には、無機土壌との相互作用を引き起こすためのペプチド鎖(モチーフ)と凝集・沈殿に関与するアミノ酸残基が存在する。 本研究では、モリンガ樹の染色体DNAより濁水浄化タンパク質をコードする遺伝子をクローニングし、酵母菌または大腸菌における組換えタンパク質の発現系を構築する。次いで、タンパク工学的な手法を用いて、濁水浄化機能の発現に必要かつ最小限のモチーフの検索と、それに必須のアミノ酸残基を同定する。これにより得られたタンパク質-無機物間の相互作用における新しい知見を基に、高い浄化能あるいは金属結合能などの優れた機能をもつ濁水浄化タンパク質、即ち、環境浄化に資するバイオ凝集・沈殿剤および無機捕捉バイオ素材を創成することが目的である。 平成23年度は、次のような研究成果が得られた。(1) Sサブユニット(34残基)とLサブユニット(71残基)の一部および両サブユニットの間のリンカー領域(57-bp)の塩基配列を基に、プライマーDNAを設計し、染色体DNAを鋳型にinverted PCRで増幅断片を得た。(2) Kluyveromyces lactis のコドン頻度を基に、SおよびLサブユニットのアミノ酸配列に対応する遺伝子を設計し、リンカー領域を含めて化学合成した。酵母菌発現ベクターの菌体外分泌シグナルの下流にSサブユニット遺伝子、Lサブユニット遺伝子、Sサブユニット遺伝子+リンカー領域+Lサブユニット遺伝子を挿入するために、制限酵素部位を導入したプライマーDNAを設計し、人工遺伝子を鋳型にPCRで3つの増幅断片を得た。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

濁水浄化タンパク質の全構造遺伝子のクローニングと酵母菌での人工遺伝子の発現が予定より遅れている。その主な理由は次の通りである。(1) 濁水浄化タンパク質の分離・精製に使用した種子(local-type)の発芽率が低いために、若葉の収量が少なくなった。(2) モリンガ樹の若葉や種子には多糖類が多く含まれており、これらが制限酵素分解やリガーゼ反応を阻害するために、invert PCRの鋳型の調製に時間を要した。また、高純度の染色体DNAを得るために精製ステップを増やしたことにより、染色体DNAの回収率が低下した。(3) invert PCRで得られた増幅断片および人工遺伝子を鋳型にPCRで増幅したSサブユニット遺伝子、Lサブユニット遺伝子、Sサブユニット遺伝子+リンカー領域+Lサブユニット遺伝子の塩基配列を解析できなかった(2月より4月までは科研費が執行できない)。

Strategy for Future Research Activity

濁水浄化タンパク質をコードする全構造遺伝子のクローニングと、酵母での人工遺伝子の発現系を構築するために、次のような実験を計画する。(1) モリンガ種子の発芽率を向上させるために、次亜塩素酸ナトリウム処理、給水条件、培土組成などを検討する。(2) 種子の凍結乾燥標品を液体窒素存在下で破砕し、磁性シリカビーズを用いた染色体DNAの抽出法を検討する。(3) 3種のPCR増幅断片(Sサブユニット、Lサブユニット、Sサブユニット+リンカー領域+Lサブユニット)の塩基配列を確認した後、制限酵素で分解し、酵母発現ベクターの菌体外分泌シグナルの下流に挿入する。Kluyveromyces lactis GG799株を、得られた3種のベクターで形質転換し、それぞれのタンパク質発現の有無を調べる。宿主酵母由来の微弱なプロテアーゼの混在により組換えタンパク質が分解される場合は、菌体外プロテアーゼ欠損株(K. lactis YCT284など)を宿主に用いる。なお、酵母菌での実験がうまく進行しなかったときは、大腸菌の宿主-ベクター系で発現系を構築する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成24年度の研究費の使用計画は次の通りである。濁水浄化タンパク質の全構造遺伝子のクローニングと酵母菌での人工遺伝子の発現は尾山が担当する。モリンガ種子の発芽と染色体DNAの抽出にかかる諸条件の検討は杉村と尾山が担当する。直接経費は、人工遺伝子やプライマーDNAの合成委託、シーケンスの分析委託、宿主菌株及び発現ベクター、PCR用の試薬、コンピーテント細胞、プラスチック器具、ガラス器具、培養基材、一般試薬などの購入にかかる物品費として主に使用する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2012 2011

All Presentation (2 results) Book (1 results)

  • [Presentation] クマモリシンによる魚鱗の分解とその分解産物のDPP-IV阻害活性2012

    • Author(s)
      尾山 廣、井上 直樹、小泉 聖子、杉原 富人、居場 嘉教、芳本 忠
    • Organizer
      日本農芸化学会
    • Place of Presentation
      京都女子大学(京都市)
    • Year and Date
      2012年3月23日
  • [Presentation] 耐熱性セリン‐カルボキシルプロテアーゼ、kumamolisinsの構造と機能2011

    • Author(s)
      尾山廣、伊東昌章、中山亨
    • Organizer
      日本生化学会(シンポジウム)
    • Place of Presentation
      国立京都国際会館(京都市)
    • Year and Date
      2011年9月24日
  • [Book] Peptide Science 2011 (Ed. by K. Sakaguchi)2012

    • Author(s)
      Junya Murai, Yuki Sakai, Hiroshi Oyama, and Shin Ono
    • Total Pages
      389-392
    • Publisher
      Affinity Purification of alpha-Amylase Using 0.19 alpha-Amylase Inhibitor from Wheat Kernel.

URL: 

Published: 2013-07-10  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi