2012 Fiscal Year Annual Research Report
太陽電池応用を目指した高結晶単層カーボンナノチューブの基礎的研究
Project/Area Number |
23651082
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田路 和幸 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (10175474)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 英志 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (90312652)
佐藤 義倫 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (30374995)
|
Keywords | 太陽電池 / ナノチューブ / 再生可能エネルギー |
Research Abstract |
本研究は、単層カーボンナノチューブ(single-walled carbon nanotube: SWCNT)の高純度かつ完全性による優れた電子移動特性に注目し、二酸化炭素削減の中心的役割を担う太陽電池への応用を目指した。本年度は以下の研究を行った。 【高結晶性SWCNT薄膜/Ag電極の光起電力特性】 スライドガラスに塗布した銀電極(幅5 mm×長さ20 mm)に対して、接合部分が2.5 mmとなるように高結晶性SWCNT薄膜(幅5 mm×長さ20 mm)をスプレーで塗布し、「高結晶性SWCNT薄膜/Ag」セルを作製した。このセルのSWCNT/Ag界面に可視光(650 nm)を照射すると、0.16 mVの起電力が生じた。光照射時でのセルの電流-電圧(I-V)特性を調べたところ、傾きが一定である線形性を示し、SWCNT/Agの界面はオーミック接合であり、シリコン太陽電池のpn接合のようなショットキー接合界面ではないことがわかった。そこで、光照射のオン・オフによる時間に対する起電力を調べたところ、起電力のオン・オフには緩和時間があり、熱勾配による熱起電力が生じていることがわかった。この起電力のメカニズムは以下のように考えられる:SWCNTで光を吸収した電子は熱に変換され、照射部分の温度は高くなる。一方、Agは光を反射するため、SWCNT/Ag界面ではSWCNT側の温度が高い状態の界面となる。調製した高結晶性SWCNTは正孔キャリヤを持った電気特性を示すので、高温側のSWCNTにある正孔キャリヤが温度の低いAg側に流れ、起電力が生じる。
|
Research Products
(3 results)