2012 Fiscal Year Annual Research Report
セルロースを原料としたスーパーエンジニアリングプラスチックの調製
Project/Area Number |
23651084
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
木村 邦生 岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (40274013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 慎一 岡山大学, 環境生命科学研究科, 准教授 (40397873)
内田 哲也 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (90284083)
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Keywords | バイオプラスチック / 高性能プラスチック / ポリエステル / ポリエーテルケトン / フランジカルボン酸 / セルロース / バイオプラ |
Research Abstract |
スーパーエンジニアリングプラスチックは、過酷環境下でも利用できる材料として構造材料のみならず、電気電子材料や航空宇宙材料など様々な分野に用途が拡大している。これらの高分子材料は石油由来原料から調製されており、持続的資源循環型社会への移行や石油枯渇化問題を考慮すると、バイオマスからのスーパーエンプラの調製が重要である。しかしながら、バイオマスから調製される化合物で、スーパーエンプラの原料となり得る芳香族化合物は少ない。セルロースやフルクトースから誘導できる2,5-フランジカルボン酸 (FDCA)は、スーパーエンプラの原料として利用できる数少ないバイオマス由来の芳香族ジカルボン酸である。これまでに、FDCAおよびその誘導体から石油由来の汎用樹脂代替として、様々な樹脂が調製されている。しかし、FDCAを原料とした高性能プラスチックについての研究は殆ど行われていない。FDCAを必須成分とし、非バイオマス系原料との組み合わせによって芳香族ポリエステルや芳香族ポリエーテルケトン等のハーフバイオマス高性能プラスチック群を調製することができれば、上記問題を低減できる。そこで、本研究では、FDCAを原料とした全芳香族ポリエステル及びポリエーテルケトンの調製と評価を行い、高性能プラスチックとしての可能性について検討した。その結果、FDCAとDABから既存の芳香族ポリエステルと比較しても遜色ない熱特性及び力学特性を有するハーフバイオマスポリエステルを調製することができた。中間共重合組成では、異方性融体が観察され、サーモトロピック液晶性が示唆された。また、FDCCとDPEとのFriedel-Crafts重合をイオン液体中で行うことにより、反応性の向上とゲル膨潤度の増大によって耐熱性及び化学安定性に優れた結晶性かつ熱可塑性のハーフバイオマスポリエーテルケトンを合成することができた。
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