2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23651089
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
矢貝 史樹 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80344969)
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Keywords | ナノテクノロジー / 分子集合体 / 超分子 / キラリティー / ナノ構造 |
Research Abstract |
前年度までは、光応答性部位としてシスートランス異性化を示すアゾベンゼンを導入した二量体に関して詳細な研究を行い、温度や光によってナノリングとナノチューブ状態を自在に制御できる革新的なナノ構造(積層性ナノリング)の構築に成功した。今年度は、アゾベンゼンを光環化可能なスチルベンに変えた分子を設計・合成し、非水系溶媒中における自己集合と光応答特性に関して研究した。キラル側鎖を有する新規スチルベン二量体を合成した。この分子は、メチルシクロヘキサン中で自己集合し、キラルなファイバー状超分子集合体を形成する事が円二色性(CD)スペクトルおよび原子間力顕微鏡(AFM)観察により明らかになった。この集合体に紫外光を照射すると、分子内光環化が起こる事がNMR測定によりわかった。紫外光照射後の溶液を一度加熱して分子分散状態とし、室温まで冷却すると、当初の集合体とは逆のCDシグナルを示す集合体が再構築された。光照射前後の集合体の形成過程を温度制御CDスペクトル測定により精査すると、集合体形成における協同効果の度合いが異なる可能性が示唆された。これは、光環化体が会合体形成の核となることで、会合経路をコントロールしているためであると考えられる。今後、集合体のナノ構造観察を高分解能AFM測定と透過型電子顕微鏡(TEM)測定などを用いてさらに多角的に行い、集合体形成のメカニズムを解明する事で、光により新たに開かれる会合経路という概念を打ち出す。
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Research Products
(19 results)