2011 Fiscal Year Research-status Report
選択吸着を利用した蒸着重合法によるキラル分子薄膜の作製
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23651090
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
久保野 敦史 静岡大学, 工学部, 教授 (70234507)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 蒸着重合 / キラル / 高分子 / 薄膜 / 成膜機構 |
Research Abstract |
蒸着重合法によるキラル高分子薄膜の作製を目指し、本年度は物質探索ならびに成膜機構の解明に加え、新たな装置の設計製作を中心に研究を行った。物質探索については、溶液または気相における反応性の試験から、適度な反応性をもつ物質の組み合わせを見つけることができた。成膜機構の解明については、従来のアキラルな高分子薄膜について水晶振動子マイクロバランスならびに赤外吸光分析の結果から、分子の付着のみらず脱離過程が大きな影響を及ぼしていることを見いだした。新装置の設計に関しては、当初設計した装置では研究目的に到達するための仕様を満たしていないことが設計段階でわかったため再設計することになり、進捗が大幅に遅れている状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
真空装置の設計をやり直したことにより装置の納入が遅れ、従来の装置を使った限定的な実験に限られていたため。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度実行できなかった研究ならびに今年度に予定していた研究について、特に以下の項目を中心に研究を遂行する。(a) キラルなモノマーからの蒸着重合:モデル分子として長鎖ジアミンに側鎖の付いたキラル分子と脂肪族ジカルボン酸クロリドを用い、気相において基板上への高分子膜形成を試みる。(b)選択吸着・配向や水素結合性を利用したキラル高分子膜の蒸着重合:基板表面を修飾したキラル分子によるモノマー分子の選択吸着・反応性を利用し、蒸着重合膜におけるキラリティを検討する。(c) 吸着・配向に関する基礎パラメータの評価:モデル分子として長鎖ジアミンに側鎖の付いたキラル分子と脂肪族ジカルボン酸クロリドを用い、気相における基板上への付着挙動を詳細に解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費(設備費)として、再設計により納入の遅れていた真空成膜装置を用いたキラル高分子薄膜の作製に使用する。物品費(消耗品)としては、気相から基板上への付着挙動解析の精度を向上させるための新たな電子回路用電子部品に使用する。また、不純物混入を避けるための真空装置改造用電子部品に使用する。加えて、モデル物質以外のキラル高分子薄膜作成用試薬に使用する。旅費として、国内研究発表ならびに資料収集に使用する。
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Research Products
(3 results)