2012 Fiscal Year Annual Research Report
多粒子系メゾスコピック現象の解明 -三次元電子顕微鏡法による挑戦-
Project/Area Number |
23651094
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
今野 豊彦 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (90260447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 和久 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (70314424)
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Keywords | 多粒子系 / メゾスコピック / 協力現象 / 超常磁性 / 三次元電子顕微鏡 |
Research Abstract |
本年度は、高周波マグネトロンスパッタ法を用いて、高密度分散Co-Pt系合金ナノ粒子の低温配向成長を実現し、粒子間磁気的相互作用の観点から、粒径・粒子密度と磁気特性との関係について調べた。まず、成膜条件に関して、Co-PtへのAg添加は粒成長を抑制し、L10型規則相形成をやや促進させる効果があることを確認した。Fe添加は、規則化を大幅に促進させるものの、粒成長も顕著に促進されることが判明した。このとき、同一基板温度(700K)において、Arガス圧および投入電力の増加に伴い、規則化が促進されることが明らかとなった。さらにFe添加試料では、(110)ファセットを示し正方形状の外形を有するナノ粒子が形成された。また、AgとFeの同時添加により、規則化促進並びに粒成長抑制が実現されたが、一方で配向性がやや低下する傾向が見られた。SQUIDを用いた磁化測定の結果、これら高密度分散Co-Pt系合金ナノ粒子は、室温で約500Oeの保磁力を示し、粒子間での磁気双極子相互作用を示唆する結果がδMプロットから得られた。また、ZFCFC曲線はヒステリシスを示し、残留磁化は室温、10Kともにそれぞれ13.6%、2.5%減落した(測定時間400min)。電子線ホログラフィーを用いて、これら磁性ナノ粒子組織における磁束分布の可視化について検討した結果、粒子の内部ポテンシャルに起因した位相シフトが観察されたが、磁力線を明瞭に捉えることはできなかった。粒子密度、粒径の異なる試料について、ホログラフィー観察を行ったが、全て上記と同様の傾向を示した。これは、絶縁性コーティング材(アモルファスアルミナ薄膜)に起因した観察時のチャージアップが一因と考えられる。上記研究の他、アモルファスカーボン膜中に分散した1nmサイズのCoクラスターの収差補正高分解能観察を行い、CoはFCC構造であることを明らかにした。
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Research Products
(12 results)