2011 Fiscal Year Research-status Report
バイオミメティック超撥水表面によるライデンフロストラチェット液滴輸送デバイス
Project/Area Number |
23651100
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藪 浩 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (40396255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下村 政嗣 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 教授 (10136525)
平井 悠司 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (30598272)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 超撥水 / ライデンフロスト / バイオミメティック / 液滴輸送 / 無電解メッキ |
Research Abstract |
本研究の目的は、自己組織化によって作製されるハニカム状多孔質膜を基に得られる低摩擦な超撥水ピラー構造表面と、その表面形状制御、およびマイクロヒータアレイを組み合わせることで、ライデンフロスト現象を利用した高速で低消費エネルギーな液滴輸送デバイスを実現することである。申請期間中に超撥水性表面の作製とその異方化・パターニング手法の確立、および無電解メッキによるニッケル/クロム合金からなるマイクロヒータ電極の作製によるデバイスの構築と、高速度カメラを利用した液滴輸送の実証を行う。最終的に液滴を高速で輸送できる「バイオミメティックデジタル液滴輸送デバイス」を開発することである。今年度までに水滴を鋳型としたハニカム構造化膜形成と、それを基にピラー構造化膜の作製を行った。光架橋性の材料からハニカム構造化膜を作製することで、表面に光パターニングが施されたハニカム構造化膜およびピラー構造化膜が形成できる事を見いだした。さらに延伸したハニカム構造化膜からピラー構造化膜を作製したところ、異方性を持ったピラー構造化膜が形成できる事を見いだした。超撥水表面の評価計構築を行い、ピラー構造化膜は超撥水表面となる事を確認した。さらにパターニングされたピラー構造化膜はパターンに応じて様々な濡れ性を示し、ピラー構造化表面と平膜をくさび型にパターニングしたところ水滴が平膜部分に濡れ広がることにより、水滴が移動する現象が確認された。以上の結果からパターニングされた超撥水表面の構築手法を確立できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究のマイルストーンは、(1)超撥水表面の微細加工、(2)ニッケル/クロム合金の無電解メッキによるパターニング、(3)液滴輸送評価系の構築、(4)微細加工超撥水表面へのマイクロヒータの実装、(5)ライデンフロストラチェットによる液滴輸送の実証の5つである。現在のところ、(1)、(2)の一部、および(3)はすでに達成しており、残りの1年間で残課題に取り組むことで目標の達成が可能であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
残課題である(2)ニッケル/クロム合金の無電解メッキによるパターニング、(4)微細加工超撥水表面へのマイクロヒータの実装、(5)ライデンフロストラチェットによる液滴輸送の実証に対し、引き続き取り組む。すでに(2)についてはほぼもくろみ通りの結果が得られつつあり、最終的に電極により発熱可能なマイクロヒータの実装が今後の大きな課題である。構築した評価系を用いて、今年度中に(5)の実証を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
メッキによるパターニングが主であるため、金属試薬などの物品費を前年度から繰越し、引き続き検討を行う。その他成果発表に関する旅費と論文印刷代を計上する。
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Research Products
(4 results)