2012 Fiscal Year Annual Research Report
バイオミメティック超撥水表面によるライデンフロストラチェット液滴輸送デバイス
Project/Area Number |
23651100
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藪 浩 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (40396255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下村 政嗣 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 教授 (10136525)
平井 悠司 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (30598272)
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Keywords | 超撥水 / ライデンフロスト / バイオミメティック / 液滴輸送 / 無電解メッキ |
Research Abstract |
熱したフライパンの上に水を垂らすと水滴が踊るように表面上を転がる。この現象をライデンフロストの滴といい、水滴がフライパンの表面で急激に熱せられ、気化することによってホバークラフトのように水滴を浮かせることに起因する。研究代表者らは疎水性ポリマー溶液を加湿下で塗布し、製膜する過程で水滴が結露し、ハニカム状の多孔体を形成する事、その上面を剥離することで、突起状の構造を形成し、超撥水表面となる事を見いだしている。そこで、このような超撥水表面を用いることにより、ライデンフロストの原理を利用した液滴駆動デバイスが実現できるのではないかと考えた。本研究の目的は、自己組織化によって作製されるハニカム状多孔質膜を基に得られる低摩擦な超撥水ピラー構造表面と、その表面形状制御、およびマイクロヒータアレイを組み合わせることで、ライデンフロスト現象を利用した高速で低消費エネルギーな液滴輸送デバイスを実現することである。研究期間中に耐熱性の高いポリジメチルシロキサンシートにハニカム状多孔質膜の構造を転写する手法を確立した。ハニカム状多孔質膜の上面をポリジメチルシロキサンシートに貼り付け、UV-オゾン処理を行う事で、空孔内部を座屈によって変形させることで、パターンの転写を行った。さらにLayer-by-Layer (LbL)法を用いた表面修飾手法および表面の機能化に成功した。これらの知見は低摩擦超撥水表面の形成に寄与し、ライデンフロスト現象を用いた液滴駆動デバイスの端緒となると考えられる。
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Research Products
(1 results)