2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23651102
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
二又 政之 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (20344161)
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Keywords | 単一分子 / 近接場分光 / 表面プラズモン / ナノ粒子 / 吸着 |
Research Abstract |
ナノラマンイメージング法高性能プローブ開発のために、 [1]平成24年度以下の成果を得た。 (1)ギャップモードに関して、これまでのナノ粒子等の局在プラズモンを利用したSERS研究では大きな増強が得られなかった減衰の大きな白金や鉄系遷移金属系に適用し、銀・金系と同様に10^8-10^9の巨大増強を得ることに成功した。これにより、触媒など実用性の高い金属系での局所反応解析の実現性が明らかになった。(2)ギャップモードプラズモンと伝搬性プラズモンとの複合化による高感度化に関して、詳細な実験と理論計算により、ナノラマンイメージングに適用し、単一分子ラマン信号検出できることを見いだした。(3) ナノラマンイメージングに関して、シリコンプローブの熱処理により、再現性よく30-50 nm径の銀ナノ粒子をプローブチップ先端に形成する手法を開発した。入射光学系及び集光系の効率改善により、ギャップモードを利用して、10^5-10^6倍のチップ増強ラマン測定に成功した。さらに、新しいプローブ形成法として、収束イオンビーム(FIB)加工による先鋭化金属ナノワイヤ形成を開始し、AFMカンチレバー先端に、15-20 nm径の金属チップ形成に成功した。FIB装置の安定化・ノイズ低減により、今後さらに先鋭化する見通しを得た。 [2]平成23-24年度を通して、これまでのナノラマンイメージングのためのプローブ開発で大きな問題であった、蒸着法における近接多粒子状成長を大きく改善し、再現性よく1個のナノ粒子をAFMカンチレバーチップ先端に形成する手法の開発に成功した。FIBによるさらなる尖鋭化の指針を得た。同時に、入射・集光光学系の高効率化と合わせて、これまでの近接場信号検出効率を100-1000倍改善することができた。今後の固液界面の局所反応解析のために重要な研究成果が得られた。
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