2011 Fiscal Year Research-status Report
ソフト化学的手法による革新的ゼオライト合成ルートの開拓
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23651104
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大久保 達也 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40203731)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | ゼオライト / 多孔体 / 固相反応 |
Research Abstract |
本研究では、ケージ構造を有するシリカクラスターをナノ構造単位として用い、それらの3次元配列・連結制御により、常温常圧下、結晶性シリカ骨格をボトムアップ的に構築する革新的なアプローチを開拓し、新規ゼオライトを創製することを目的としている。平成23年度は、有機修飾されたシリカクラスターの分子結晶形成・固相重合によるゼオライト合成について検討した。シリカクラスターとしては、LTA型やACO型ゼオライトの二次構造単位として知られる、二重四員環型構造 (以下D4Rと略) のユニットを用いた。窒素雰囲気下でSi-H末端のD4R (H8Si8O12) と1-アダマンタノール (AdOH) を当量比1: 1で反応させた後に、メタノール (MeOH) を加え、前駆体分子 (Si8O12(OR)8, R = Ad or Me, Ad:Me = 1:7)を白色結晶粉末として得た。前駆体分子の粉末を濃度を変化させた各種酸の中に分散させ、室温下、固相での加水分解・縮重合反応を行なった。さらに、焼成により有機物を完全に除去することで、最終生成物とした。生成物の固体NMR測定の結果、酸処理によりMeO基が大幅に減少し、縮合反応が進んでいたのに対し、AdO基は残存しており、焼成を行うことで完全な除去と多孔体化が達成された。得られた各サンプルについて、窒素吸脱着等温線を行った結果、酸処理に続いて焼成を行ったサンプルは高いBET比表面積(740 m2/g)を示した。焼成によりミクロ孔容積が顕著に増加しているほか、メソ孔を有することが分かった。ミクロ孔は細孔径が約1 nmであり分布が狭いのに対し、メソ孔はブロードな分布を示した。メソ孔は酸処理により、ミクロ孔は焼成によるAd基の除去により形成されたと考えられた。XRD測定より、酸処理、焼成と反応を進めるにつれて前駆体の長周期構造が失われることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的であった、有機修飾シリカクラスターの分子結晶形成と固相反応による多孔体合成に成功しており、順調に研究が進んでいると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた成果を基に、より精密な構造制御に向けた条件検討を行う。同時に、二つ目のアプローチである、シリカクラスターを一層ずつ積み上げる"Layer-by-Layer"法についても検討する。これにより従来の高温高圧の水熱法では不可能であった分子レベルからのシリカ骨格の設計・構築を達成する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究においては、現有の研究施設を用いて実施することが可能であるため、研究経費の大部分は消耗品、成果発表旅費、分析費用などにあてる。消耗品費は原料として用いる薬品の購入と合成に用いるガラス器具類の購入に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)