2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23651107
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
VACHA Martin 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (50361746)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 1分子科学 / 有機EL素子 |
Research Abstract |
高分子系の有機エレクトロルミネッセンス(EL)デバイス(OLED)の発光層になる共役系高分子薄膜のナノスケール構造が、デバイスの電荷移動特性及び発光特性に大きな影響を及ぼす。本研究では、単一分子分光法を用い、一本の共役系高分子鎖におけるナノスケール構造(コンフォメーション)とEL特性との関係を明らかにすることを目的にしている。コンフォメーションの制御を精密に行うために、相分離ブロック共重合体が形成する一次元ナノシリンダー構造をテンプレートとして用い、ナノシリンダーに共役系高分子が伸びた状態でドープされたハイブリッド薄膜を考えた。ブロック共重合体―共役系高分子のハイブリッド薄膜をOLEDデバイスに用い、EL特性、光物理的特性、などを調べる。本年度は、ハイブリッド薄膜の作成に注目し、2種類のドープ法を試みた。ポストドープ方法では、自立ブロック共重合薄膜を用い、濃度勾配の効果で共役系高分子がナノシリンダーに拡散させることを計画した。しかし、この方法では分子量の小さい高分子鎖しかシリンダーに入らないことが分かった。一方、プレドープ方法では共重合体と共役系高分子の混合溶液から薄膜を作成し、アニーリング後にシリンダーの中に共役系高分子が存在することを確認した。共役系高分子として親水性のポリフルオレン系誘導体(PEO-PF)やポリフェニレンビニレン系誘導体(MPS-PPV)を用いてハイブリッド薄膜作成に成功した。このようなハイブリッド膜を単層型OLEDデバイスで発光層として使用し、OLEDの動作を確認した。極めて低い共役系光分子のドープ濃度でも、共役系高分子がEL発光することが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の通りハイブリッド薄膜材料の作成に成功している。ただし、電子顕微鏡を用いて材料のナノスケールキャラクタリぜーションが多少困難であり、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度作成に成功したハイブリッド薄膜を用い、共役系高分子の濃度を1分子レベルまで下げ、単一共役系高分子鎖のEL現象を研究する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
23年度は効率的に研究費の使用が出来たため、残額が生じた。分子量の異なるポリフルオレン系誘導体を用いて、実験を翌年に行う。
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Research Products
(1 results)