2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23651107
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
VACHA Martin 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (50361746)
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Keywords | 1分子科学 / 有機EL素子 |
Research Abstract |
高分子系の有機エレクトロルミネッセンス(EL)デバイス(OLED)の発光層になる共役系高分子薄膜のナノスケール構造が、デバイスの電荷移動特性及び発光特性に大きな影響を及ぼす。本研究では、単一分子分光法を用い、一本の共役系高分子鎖におけるナノスケール構造(コンフォメーション)とEL特性との関係を明らかにすることを目的にしている。コンフォメーションの制御を精密に行うために、相分離ブロック共重合体が形成する一次元ナノシリンダー構造をテンプレートとして用い、ナノシリンダーに共役系高分子が伸びた状態でドープされたハイブリッド薄膜を考えた。ブロック共重合体―共役系高分子のハイブリッド薄膜をOLEDデバイスに用い、EL特性、光物理的特性、などを調べる方針で進む。 本年度は、昨年度で作成に成功したハイブリッド薄膜を用い、高分子コンフォメーションによるEL及び蛍光(PL)特性を調べた。2種類の共役系高分子のうち、親水性のポリフルオレン系誘導体(PEO-PF)はEL の強度は十分強く、一分子レベル濃度でもELが検出できた。個々の分子からELスペクトルの測定を行い、ポリフルオレン系のOLEDで課題になっているグリーンバンドに注目した。そのグリーンバンドは少なくとも2種類の異なるスペクトルタイプからなり、スペクトルジャンプも起きていることが分かった。比較のためにPEOのマットリックスに分散させたPEO-PF高分子のPLスペクトルを一分子レベルで測定し、グリーンバンドの原因を検討した。
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