2011 Fiscal Year Research-status Report
危険ウィルス検知用超小型光導波路を使用した高速フォトニックセンサネットワーク構築
Project/Area Number |
23651138
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
榎波 康文 広島大学, ナノデバイス・バイオ融合科学研究所, 特任教授 (90377474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末 信一朗 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90206376)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | ゾルゲルシリカ光導波路 / バイオフォトニックセンサ / センサネットワーク |
Research Abstract |
緑色蛍光タンパク質(GFP)と有機リン加水分解酵素(OPH)を酵母上に付着させた生体をドープしたゾルゲルシリカ光導波路を作製し、有機リン化合物の検出実験を行った。導波路のゾルゲルコアとクラッドをエッチング除去し、その部分にこの生体と多孔径調整用グリセロールをドープしたGFPドープ型ゾルゲルコア溶液をスピンコートした。その後UV照射(i線9mW/cm2)し、GFPをドープした状態でシリカネットワークを形成した。ゾルゲルコア内部に有機リン化合物が進入する程度の多孔状態となるようUV照射量を調整してシリカコアを作製した。更にグリセロール量を最適化しゾルゲルシリカコア内部の多孔径制御と再現性向上を行い、有機リン化合物や危険ウィルス等がコア内部への浸透速度向上を行い危険物質の高速検知を可能とした。波長488nmのレーザ光により作製したGFPドープゾルゲルシリカ光導波路を励起し、光導波路からの出射蛍光パワー(中心波長509nm)を縁視野で測定した。蛍光パワーをモニターするとともにメタノールにより希釈した20mMの有機リン化合物(パラキソン)をゾルゲルシリカ導波路上に滴下した。その結果1分間で蛍光パワーは1/2へと減衰し、その後5分以内に蛍光パワーが1/5の値へ減衰した。これにより蛍光パワー変化から定量的かつ高い再現性で有機リン化合物の超高速検出に成功した。分担者は、GFPとOPHを酵母に付着させる実験及びゾルゲルシリカ薄膜を用い有機リン化合物に対する基礎的特性を観測した。更に今後行う抗体をドープしたゾルゲルシリカ薄膜(膜厚3-4ミクロン)内部における抗体抗原反応の予備実験を行いゾルゲル内部における最適反応条件を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
緑色蛍光タンパク質をドープしたゾルゲルシリカ光導波路を作製し、1分以内で有機リン化合物に対する蛍光変化を測定した。ドープする生体を緑色蛍光タンパク質から抗体に変えることにより抗原に対する反応を検出することができる。さらに多孔性を保つためグリセロール添加し、多孔質の再現性に成功した。これにより、外部からの抗原等もゾルゲルシリカに侵入することを可能とした。
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Strategy for Future Research Activity |
マッハツィエンダ(MZ)型光導波路を作製し、MZアームの片方の導波路のゾルゲルコアとクラッドをエッチング除去し、その部分に抗インフルエンザ抗体と多孔径調整用グリセロールをドープした抗体ドープゾルゲルコア溶液をスピンコートした後UV照射(i線9mW/cm2)する。ゾルゲルコア内部に抗原が進入する程度の多孔状態となるようUV照射量を調整してシリカコアを作製する。更にグリセロール量調整によりゾルゲルシリカコア内部の多孔径を制御し、抗原のコア内部への浸透速度を増加し高速検知可能とする。抗体抗反応最適化、光挿入損失低減及び光導波路デバイス構造最適化を行い、ウィルス反応に対する出力光変化を測定する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
抗体抗原反応実験のための生体購入、センサーネットワーク構築のための光学部品や消耗品購入
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Research Products
(7 results)