2012 Fiscal Year Annual Research Report
温度応答性界面形状記憶材料を用いた多彩なマイクロ流体操作の実現
Project/Area Number |
23651142
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
青柳 隆夫 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 研究員 (40277132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荏原 充宏 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 研究員 (10452393)
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Keywords | 形状記憶 / マイクロ流路 / 温度応答性 / パターニング |
Research Abstract |
前年に引き続き、水酸基の数が異なる多価アルコールを開始剤とし、開環重合を行うことで分岐型ポリカプロラクトン (PCL) を合成した。さらに、得られた分岐型PCLの末端水酸基にアクリロイル基を導入し、二重結合を有するPCLマクロモノマーを合成した。このマクロモノマーを用いた架橋材料の形状記憶機能を調べ、次に、この性質を利用して温度変化によってチャネルの開閉を行う新しいマイクロ流路用材料への可能性を検討した。 まず、形状記憶特性を検討した。得られた材料に定量的に負荷をかけ、その際の形状の回復の様子を調べた結果、転移温度以上では負荷量が大きくなるに従って形成される溝は深くなり、温度を下げることによって、その形状は維持された。また、次に温度を転移温度以上に上げると、ほぼ100%の回復率であった。この作動を繰り返しても、100%の回復率は維持された。 次に、チャネルをあらかじめ想定したモールドを用意し、チャネルがパターン化された材料を調製した。この場合は、フラットな材料とを張り合わせることによって流路を構築した。転移温度以上でその材料に90度傾いたチャネルのモールドを押し付け冷却して、新しいチャネルを形成させた。この流路を転移温度以上に加熱すると一時的なチャネルは消失し、もとのチャネルが出現した。つまり、温度変化のみでチャネルの形成や方向の変更ができることが分かった。次に、局所加熱によって弁の機能を検討した。この場合も、流路の開閉がコントロールできることが分かった。今後は、金粒子や磁性粒子などの発熱体との組み合わせを行い、光による局所加温によるチャネルのコントロールへ発展させる。
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Research Products
(5 results)