2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23651151
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Research Institution | Fukui National College of Technology |
Principal Investigator |
川本 昂 福井工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (90110189)
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Keywords | 脳波電極 / アーチファクト / 多層カーボンナノチューブ / ペーストフリー / ヤモリテープ / 分子間力 / 誘発脳波 / 接着性タンパク |
Research Abstract |
平成25年度に取り組んだのは以下の2項目である。 (1)MWNT分散薄膜の比抵抗が銀皿電極より大きくても高感度に脳波が検出できる理由 この課題ついて検討するため、生理的食塩水中で脳波電極インピーダンスのMWNT分散濃度依存性を調べた。電極インピーダンスの等価回路は、電極抵抗Rpと静電容量Cpの並列回路で示される。ここで、測定周波数は30Hzである。MWNTの分散濃度が高くなるにつれ、電極抵抗Rpは低下し、静電容量Cpは増加した。換言すると、電極インピーダンスZ はMWNTの分散濃度が増大するにつれて減少し、1/ωCpとほぼ同じ大きさになった。これは、電極インピーダンスZがCpに依存していることを示唆している。 以上、MWNT分散膜の比抵抗が銀皿電極より7桁大きくても、銀皿電極と同レベルの誘発脳波が計測できるのは、MWNT分散膜の電極インピーダンスが静電容量Cpに依存して銀皿電極並みに小さくなることが原因であることが分かった。 (2)ペーストフリー脳波電極の試作 (I)ヘッドバンドで固定するペーストレス脳波電極(バネ型、ムカデ型、ブラシ型)の型を素材(ゴムライク樹脂、ナイロン12など)を変え、3Dプリンタで作製した。その後、素材をMWNT分散液中でディップコーテングして完成させ、電極インピーダンスや機械的強度を評価した。その結果、ペーストフリー脳波電極が開発できる可能性が示された。(II)発汗作用ではがれる市販のヤモリテープを補強するため、水中で接着効果のあるイガイの接着性タンパク質を参考にしてドーパミンメタクルアミド(DMA)を合成した。しかし、今のところ接着性が得られていない。(III)セルロースとMWNTどうしの分子間力を活用した成膜法で作製したMWNTペーパー脳波電極は従来の銀皿脳波電極と比較しても、遜色なく脳波を得ることができた。ペーストフリー化が課題である。
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