2012 Fiscal Year Annual Research Report
パーフェクトサンプリングを用いたマルコフ連鎖モンテカルロ法の構築
Project/Area Number |
23651157
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
松井 知己 中央大学, 理工学部, 教授 (30270888)
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Keywords | MCMC / サンプリング / パーフェクトサンプリング / CFTP / PERT / クリティカルパス |
Research Abstract |
本研究は、マルコフ連鎖モンテカルロ法(MCMC法)を用いた全多項式時間乱拓近似スキーム(FPRAS)の構築を行うことを目的としている。またMCMC法において必要となるサンプリング法として、coupling from the past 法(CFTP法)に基づくパーフェクトサンプリング法(所望の確率分布に厳密に従うサンプリング法)を構築する。対象とする具体的なモデルとして、確率的PERTネットワークを予定している。確率的PERTネットワークに対しては、クリティカルパスの平均長の計算法の構築を行うことを目的とする。 確率的PERTネットワークに対し,クリティカルパスの平均長を計算する,FPRASの構築に成功した。この解法では,新たに開発した,CFTP法に基くパーフェクトサンプリング法を用いている.開発したサンプリング法はサンプルを得るまでの推移回数が多項式時間であることが保障されている。これを実装して計算実験を行ったところ,推移回数は経験的には2~3回程度しか必要としない非常に高速な解法であることが分かった. クリティカルパスの平均長を計算するFPRASは,問題サイズを再帰的に縮小する構造を取り入れることで求解時間の多項式性を確保している。また,問題を縮小するためのネットワーク枝の選択基準を導入し,さらなる高速化を図った。 上記のFPRASを実装し,計算機実験を行った。問題サイズが大きな場合は,前列挙に比べ高速であることが人できた。しかしながら問題サイズが小さな場合は,全列挙の方が高速となることが確認された。そこで,再帰的に問題祭を縮小する際に,解法を全列挙に切り替えることで,より高速な解法の構築を行った。また,計算機実験によって,解法の切り替えのタイミングの導出を行った。
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