2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23651164
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴崎 亮介 東京大学, 空間情報研究センター, 教授 (70206126)
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Keywords | 成りすまし / GNSS / スプーフィング / 認証技術 |
Research Abstract |
衛星測位を利用した位置認証方法の開発について、技術的に関係のあるJAXAと共同で基礎実験を実施した。基礎実験の目的は衛星を使った位置情報(ポジション、タイミング)がシミュレータによって、如何に騙され易いかを検証し、その対策を提案する事である。 検証実験はSpirent社のGNSSシミュレータを利用して、成りすまし信号(Spoofing Signal)と正常な信号(True Signal)を発生させて、GNSS受信機が何のエラーメッセージも出さずに、Spoofing信号をTrue信号と誤認する事を確認した。具体的には、GNSS受信機のアンテナに、大阪城の位置情報を送信直後(1分以内)に次は東京タワーの位置情報を送信し、さらに1分後に富士山頂の位置情報を送信した。1分以内に約500Km離れた位置を移動する事は困難であるにも拘らずGNSS受信機は成りました信号に騙されたのである。その対策として、我々はGPS(QZSS)信号のリザーブビットに認証レファランス信号(RAND:Referance Authentication Navigation Data)を新規に定義して挿入する事で、現行のGPSの信号構成に影響を及ぼさない範囲での認証方法を提案した。それをシミュレータを利用して実証し、なお衛星を利用して実証実験は地上局の信号送出のためのシステム改良が間に合わず、実現できなかった。 本発明の意義は、現在携帯電話、カーナビに利用されている位置情報が社会のインフラシステムにも利用されているため、一度位置情報が騙されると、社会生活に混乱を引き起こす可能性がある。その危険性を回避する位置認証方法の技術は近未来の社会では不可欠な要素である。 本研究の成果として2件のパテントを作成し、基本特許はすでに特許庁から公開された。周辺特許も出願済である。今後、学術論文として取りまとめ公表する予定である。
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Research Products
(1 results)